研究課題
カナダ側での船舶手配の遅れから予定より1年遅れて長期海底地震観測を実施した。観測で使用した海底地震計(OBS)は海洋研究開発機構所有の短周期海底地震計35台であり、それら短周期地震計は平成25年3月に長期観測対応に改修を行い、実海域試験を済ませた。OBS本体、および消耗品等は日本からカナダ地質調査所(ビクトリア)まで船便コンテナにて輸送し、設置前準備等はカナダ地質調査所の整備場を利用して行った。使用船舶はカナダ地質調査所が手配したカナダ沿岸警備隊の観測船を用い、11月下旬から12月下旬にかけて地震計設置航海を実施した。データ解析では先行研究で取得したOBSデータの解析を進め、詳細な地震活動を把握するとともに、低周波地震、低周波微動の有無に関してデータの精査を行った。それらの結果はカナダ側と議論の上取りまとめ、12月に行われた米国地球物理学会で2件の発表を行った。発表内容は一件はOBS観測と同時に実施した陸上観測の概要と初期データに関するものであり、翌年度回収されるOBSデータと統合処理することにより、沈み込み帯最浅部から陸域にかけての詳細な地震活動が明らかにできることを示した。もう一件はOBSデータを使った沈み込み帯最浅部の地下構造に関する初期的解析結果である。米国における地球物理学会中、同時に本プロジェクト関係者による会議を行った。この会議では日本側、カナダ側の研究の進捗を確認するともに、来年度実施予定のOBS回収航海に関する詳細打ち合わせを行った。
2: おおむね順調に進展している
予定より1年遅れとなったが、地震計設置航海を無事終了した。
設置した地震計の回収を平成26度秋以降に回収する予定で、船舶手配等を進める。また、その後のデータ解析を加速するために、一部データ処理の外注を検討する。
すべて 2013
すべて 学会発表 (2件)