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2011 年度 実績報告書

インドネシアの木造建造物保存に関する国際共同研究-日本型修理技術の適応と保存意義

研究課題

研究課題/領域番号 23254006
応募区分海外学術
研究機関筑波大学

研究代表者

上北 恭史  筑波大学, 芸術系, 准教授 (00232736)

研究分担者 斎藤 英俊  京都女子大学, 家政学部, 教授 (30271589)
友田 博道  昭和女子大学, 国際文化研究所, 教授 (00155582)
稲葉 信子  筑波大学, 芸術系, 教授 (20356273)
佐藤 浩司  国立民族学博物館, 民族社会研究部, 准教授 (60215788)
花里 利一  三重大学, 工学研究科, 教授 (60134285)
キーワードインドネシア / 木造建造物 / 伝統的技術 / 歴史的集落 / 文化遺産 / ニアス島 / バウォマタルオ村 / コタグデ
研究概要

本研究は、我国の文化財修理や伝建地区で行われている木造建造物の保存方法、および国際協力で実績をあげたホイアン歴史地区保存のケーススタディーを通して、インドネシアの木造建造物、特に歴史保存地区や伝統的集落で現在も使われている伝統的木造建造物に対して日本型修理技術の適応の可能性と適切な保存体制の確立について研究することを目的として実施された。平成23年度は下記の項目について活動を行った。
1)インドネシア歴史地区・集落の修理技術、保存体制の研究(インドネシア派遣)
ニアス島の南部に残る木造伝統的建造物の集落バウォマタルオ村を中心として、調査を実施した。2004年、2005年の地震で被害を受けた首長の家(オモ・セブア)の保存状況と構造特性の調査および集落における伝統的家屋の保存調査を行った。また南ニアス県政府にヒアリングを行い、保存計画の策定に協力することになった。
2)国際協力事例(ホイアン)における「日本型修理技術」適応の評価(ベトナム招聘)
ベトナム共和国の世界遺産「ホイアン」は、国際協力事業として日本の木造建造物保存の方法が紹介された歴史的保存地区である。インドネシアと日本の研究者がホイアンを訪れ、ホイアンの歴史的建造物の修理現場を視察した。またホイアン遺跡管理事務所においてワークショップを実施し、ホイアンの保存の歴史的展開について報告された。
3)日本の木造建造物修理方法(日本型修理技術)の評価と認識(日本招聘)
京都にインドネシア研究協力者3名を招聘した。清水寺の保存修理現場および京町家の保存と活用事例を見学し、京都市文化財建造物保存技術研修センターにおいてワークショップを開催した。インドネシアの研究者からはジョグジャカルタ市のコタグデ保存地区について説明がなされ、保存における問題点が指摘された。また京都府の保存制度について説明が行われた。さらに8月に行ったニアス島バウォマタルオ村の首長の家の保存・構造調査の分析経緯が報告された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

保存調査、構造調査を行い、事例としてニアス島の伝統的家屋についてインドネシアの木造建造物の特性を把握した。また当該地方政府と保存体制の構築にむけて協力体制を構築することができた。

今後の研究の推進方策

インドネシアにおいて、国、州、県政府による木造建造物遺産の保存のための補助制度はまだ整っておらず、補助事業による保存制度の普及は難しいという現状がある。一般に文化遺産の保存制度や修理技術の普及には、日本やベトナムのような政府の補助事業が基盤になっているため、補助事業が期待できないインドネシアには、現状に適応した保存方法論を模索しなければならない。

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公開日: 2013-06-26  

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