研究課題/領域番号 |
23254008
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
庄子 仁 北見工業大学, 工学部, 教授 (50201562)
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キーワード | メタンハイドレート / メタン湧水 / サハリン南東沖 / テルペニヤリッジ / 表層ハイドレート / 国際共同研究 / ロシア:韓国 / 海底表層コア |
研究概要 |
オホーツク海サハリン北東沖は表層ガスハイドレートの密集生成域であることが示されているが、ハイドレート分布の南限については、調査データが無く不明であった。本研究は、「調査の空白域」でありながらメタン湧水を示す観測データが(音響探査によるメタンフレア観測および海底ドレッジによるカーボネート採取により)いくつか得られているサハリン南東沖テルペニヤリッジ周辺において本格的に物理探査および海底コア採取・解析を行い、メタン湧水の発達とガスハイドレートの生成環境を解明しようとするものである。また、得られたデータをサハリン北東沖と比較・総合することによって、サハリン東沖の大陸斜面に広く産する表層ハイドレートの産状と生成環境を明らかにすることを目指している。 本年度(初年度)は調査の第1段階として、ロシア調査船ラブレンティエフ号を用いたサハリン沖海洋物理探査(8月8日~28日)を実施した。ロシアおよび韓国の国際共同機関と協力して、種々の物理探査(地震探査、音波探査、音響探査等)を行って海底深部からのガス・水供給路に関する情報と海底の地形データを収集・解析した。特に音響探査からは、メタンシープの直接的証拠となるフレア(プルーム)がテルペニヤリッジ周辺の14箇所で観測された。また、グラブ(3箇所)とコアラー(2箇所)を用いて海底泥を採取・解析し、海底表層のガス・水・堆積物条件を把握した。その結果、水深500~1100mの3地点が、有力な表層ハイドレート生成候補として選定された。これらの地点は、いずれもGH生成に必要な温度・圧力条件を満たし、海底深部からのガス供給が音響探査によるフレア観察でから明らかにされている。来年度は調査の第2段階として、候補サイトにおけるコア掘削を行い、表層ハイドレートを採取・解析してサハリン南東沖ハイドレートの特性および生成メカニズムを明らかにすることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海底のメタンシープについて、その有力な証拠となる音響探査フレアが10数カ所で発見され、そのうち3箇所については水深500mを超えており、表層ハイドレート生成が有望視できる状況である。また、採取された海底泥サンプルの測定・解析も順調に進められている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策については、ロシア科学アカデミー極東支部VI.イリチェフ太平洋海洋学研究所(ロシア・ウラジオストク市)、ロシア科学アカデミーP.P.シルショフ海洋学研究所(ロシア・モスクワ市)および韓国極地研究所(韓国・インチョン市)との国際共岡研究を基本として調査研究を進めることに変更は無い。
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