研究課題/領域番号 |
23255002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中静 透 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (00281105)
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研究分担者 |
酒井 章子 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (30361306)
市岡 孝朗 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (40252283)
市榮 智明 高知大学, 自然科学系, 准教授 (80403872)
中川 弥智子 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70447837)
熊谷 朝臣 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (50304770)
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キーワード | 熱帯林 / 一斉開花 / 短期乾燥 / 操作実験 |
研究概要 |
人工的な乾燥を引き起こすため、2010年9月までに実験木および対照木を選木し、実験を開始する予定であったが、2011年5月になり、自然状態で開花が観察されたため、急遽実験をとりやめ、自然状態での一斉開花観測に切り替えた。自然状態と実験によるものを比較するため、以下のような項目について調査を行った。 1) 展葉・開花を引き起こす樹木の生理的閾値と樹体内の水分動態、とくに林冠部の水ポテンシャルや蒸散速度、樹液の移動速度に注目して観測を行った。2) 展葉・開花・結実に伴う樹木内部の炭水化物や栄養塩の動態、特に、リンと窒素の貯蔵レベルに関する観測を行った。3) 展葉にともなう食葉性昆虫の動態を定期的に観測した。4) 開花時に送粉昆虫を観察し、他の一斉開花時と比較した。5) 結実にともなう種子―種子捕食者関係を他の一斉開花時と比較した。6) 開花・展葉が生態系全体の物質収支に与える影響、とくに開花から結実に至る過程での光合成量を推定し、結実に消費された炭素量との比較を行い、結果を他の一斉開花時と比較した。 これらの観測kは、2010年の9月の泉北終了後、観測を開始しており、開花前および開花後の状態についての比較が可能であり、これらの結果を比較することが可能である。また、これらの結果を用いて、自然状態で乾燥した場合の樹木の水分動態の変化などについていくつかの知見が得られたので、これらを論文としてまとめ、国際誌に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自然状態で開花が起こってしまったので、実験を取りやめ、自然状態の開花観測に切り替えた。実験は次年度以降に行う予定であり、自然状態との比較として十分意味がある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実行できなかった操作実験を、1年遅れで実行する。自然状態の一斉化開花観測は、実験の場合と比較できる内容になっているため、問題はない。今後の実験をスムーズに行うことで、当初の目的を達成できる。
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