研究課題
人工的な乾燥を引き起こすため、対照木を選木し、実験を行う準備を始めたところ、昨年に引き続き、自然状態で開花が観察され始めたため、開花の推移を見守ることとした。しかし、開花は大規模であり、人口開花実験としての意味がほとんどなくなったため、急遽実験をとりやめ、自然状態での一斉開花観測に切り替えた。自然状態と実験によるものを比較するため、以下のような項目について調査を行った。1.展葉・開花を引き起こす樹木の生理的閾値と樹体内の水分動態と展葉・開花・結実に伴う樹木内部の炭水化物や栄養塩の動態、2.展葉にともなう食葉性昆虫の動態と送粉共生系の変化および種子―種子捕食者関係の変化、3.開花・展葉が生態系全体の物質収支に与える影響。一方、昨年の結果とこれまでの長期観測の結果を合わせて整理した結果、1992年から約20年以上にわたる長期の開花特性が明らかとなった。そのデータを解析した結果、一斉開花への参加頻度の種による違い、乾燥時に水分をどの土壌深度から利用するか、さらに両性質間の相関関係などが解析できた。また、開花時の食葉性昆虫、送粉昆虫、種子捕食昆虫などの組成の一般性についても解析が可能であることが分かった。現在これらのデータを分析中である。一方、こうした開花現象を引き起こす気象刺激とエルニーニョなど地球規模での気象変動との関係についても、これまでより長期のデータによる解析が可能となったため、現在これを用いた詳細な検討を行っている。
3: やや遅れている
これまで、数年に一度しか観測されなかった一斉開花現象が、ほぼ毎年見られるようになり、人工的に感想を引き起こす実験が難しくなっている。一回開花をすると、樹体の物質循環などを考えると、少なくとも半年以上は実験を避けたいので、開花が終わったといっても、すぐに実験を行うことは難しく、遅れを取り戻すのが困難である。
来年度が最後のチャンスとなるため、十分に準備をして開花実験を行う。もし、再度開花をするようであれば、開花実験を行う計画を変更し、これまで得られた長期データの解析と過去の開花実験のデータの解析に方向転換する。
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