研究課題/領域番号 |
23255013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 独立行政法人水産総合研究センター |
研究代表者 |
浜野 かおる 独立行政法人水産総合研究センター, 瀬戸内海区水産研究所・海産無脊椎動物研究センター, 甲殻類グループ長 (40371827)
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研究分担者 |
筒井 功 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 水産領域, 研究員 (80425529)
前野 幸男 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 水産領域, 水産領域長 (70372000)
高橋 徹 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70369122)
矢野 豊 独立行政法人水産総合研究センター, 北海道区水産研究所・さけます資源部, 主幹研究員 (70371854)
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キーワード | 汽水産エビ / ウイルス疾病 / 東南アジア / 疫学調査 |
研究概要 |
本年度は本研究課題に係る連携協力体制の確認およびエビウイルス病の疫学調査等に関する具体的な実施体制及び研究内容に関する打ち合わせを行った。タイ(国立キングモンクット大学)およびベトナム(国立ノンラム大学)、マレーシア(国立水産研究所)、インドネシア(国立ゴンドール海洋養殖研究所)、フィリピン(東南アジア漁業開発センター)を訪問し、各機関において、疫学調査手法や実験内容等についてプレゼンテーションを行い、各国における汽水産エビの養殖状況や疾病状況についての話し合いを持った。今後の疫学調査やサンプルの収集について各機関から協力が得られることとなり、次年度からの調査体制を整備することができた。タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアのエビ養殖および疾病状況は類似していた。養殖対象種がここ数年でブラックタイガー(Penaeus monodon)からバナメイ(Litopenaeus vanamei)に切り替わり、以前はほぼ全てブラックタイガー養殖であったものが90%以上バナメイの養殖に変化していた。バナメイは成長が早く短期間で収穫できること、問題のウイルス病に強いこと、広塩性であることなどが理由として挙げられた。親エビのルートは近海ものと海外からの輸入とがあり、国内産の親はウイルス病、特にWSD(ホワイトスポット病)に汚染されており、安価だが病気が発生するとのことであった。バナメイについては、ハワイのSPF(無病エビ)の種苗が有名だが、コストが高いためタイおよびシンガポールから種苗を輸入したり、バナメイの親を輸入し国内の艀化場で生産したりしていた。エビ養殖場全般の病気としては、WSDが相変わらず発生しており、YHD(イエローヘッド病)も発生しているようである。その他のウイルス病、IHHN(伝染性肝膵臓壊死症)やTS(タウラシンドローム)も疑われるが確証は得られていないとのことであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今後の疫学調査やサンプルの収集について各国の機関から協力が得られることとなり、次年度からの調査体制を整備することができた。
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今後の研究の推進方策 |
東南アジア諸国において汽水産エビ養殖の現場で最も深刻化しているウイルス疾病について、疫学調査ならびに養殖池環境分析の事例を蓄積し、東南アジア諸国における各種ウイルス病の発生要件を広域かつ詳細に比較・検討する。最終的に東南アジア地域の疾病地図を作成しウイルスの伝播経路の推定を行い、疾病防除策を検討する。
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