研究課題/領域番号 |
23255014
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
溝口 勝 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00181917)
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研究分担者 |
山路 永司 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (10143405)
登尾 浩助 明治大学, 農学部, 教授 (60311544)
小林 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10354044)
荒木 徹也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40420228)
土居 良一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (20587125)
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キーワード | 稲作技術 / 水田 / 東南アジア / 灌漑排水 / 土壌水分 |
研究概要 |
1.現場のモニタリング 当初計画していたモニタリング機器を4台購入し、国内で動作確認した。そのうちの2台をタイ、インドネシアの農地に設置した。 2.ノウハウに関する聞き取り調査 (1)タイ 30軒以上の稲作農家および研究者を対象に聞き取り調査した。その結果、農家のおよそ9割がSRIを知らなかった。タイでは労賃が高いので人手による田植えや除草等の実施が困難であること、現在普及している種子直播き法では生育期間中の機械的な除草が困難であることによる。タイの研究者はSRIよりは環境保全等の効果を強調する傾向にあった。 (2)インドネシア 有機SRI農法との比較対象となる有機農産物の普及団体である農民連合および有機連合の関係者にメールインタビュー調査を実施した。その結果、インドネシア政府による有機農産物認証には多額の資金が必要なため、小規模農民にとって認証の取得は困難であることがわかった。 (3)カンボジア 南部のタケオ州の天水農業地域にて予備調査した。SRIは、田面水位の精密な制御のために潅水と排水をともに必要とするため、天水に依存した水田農業と本質的に相いれない点があることがわかった。ある農家は、一枚の水田でSRIを実施し、その田からの排水を非SRIの田に貯めておいてSRI田で灌漑が必要な場合に、その水をポンプで潅水していた。 (4)ラオス ラオス国立大学農学部のSRI実験圃場では11の圃場を細かく分割し、品種・植え付け間隔、発芽後日数、施肥量・灌漑方法を変化させて、(1)種子選別育苗試験、(2)SRI構成要素試験、(3)SRIと慣行法栽培比較試験を行っていた。聞き取りの結果、ポンプや水路の劣化で水を安定的に供給できないために間断灌漑が十分に行えない状況であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採択が11月に決まったため、上半期に実施する予定の研究ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者を増強し、新年度早々に推進会議を行って、研究の推進を図る。
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