研究課題
中国青海省とインド国ジャンムー・カシミール州で以下の調査研究を行った。I. チベット高原における放牧動物種と放牧方式が高山草原生態系に及ぼす影響:中国青海省玉樹蔵族自治州の玉樹県国営牧場が家畜伝染病発生により立入禁止となったため、調査地を変更し、玉樹州種畜牧場において8月に調査を行った。ヤクとヒツジの3日間連続24時間行動観察、GPS行動位置記録、採食行動(バイト数・歩数)観察、および反芻行動記録を行った。プロテクトケージ(5月設置)、コドラートおよびライントランセクト法により放牧地の植生調査を行った。また、牧畜民経営調査を2地域で行った。II. クチグロナキウサギの行動生態と草原生態系物質循環に及ぼす影響:同牧場で地形と植生の異なる3地点を選択し、クチグロナキウサギの巣穴近くに自動撮影装置を設置し、行動記録を連続3日間行った。また、50m×50mのコドラートを設置し、植生、巣穴数および裸地の調査を行った。III.インド国ジャンムー・カシミール州における遊牧が高山草原生態系に及ぼす影響:ラダックのツォ・カル湖周域からタンランラまでの区域で、チャンパ族の遊牧地14カ所にプロテクトケージを5月に設置した。8月下旬に植生調査を行い、また、チャンパ族から遊牧方式について聞き取り調査を行った。IV.チベット-トランスヒマラヤ高山草原植生の時空的変動:ヤクの尾毛と飲水サンプル採取を、中国玉樹県および門源県(移牧方式と定牧方式)、およびインド国ジャンムー・カシミール州ラダックのツォ・カル湖周域で行った。これらのサンプルは、ミュンヘン工科大学( H. Schnyder教授)で、同位体元素(13C、15N、18O)分析を行った。また、インドのダシガン国立公園内の放牧地について、MODIS衛星プロダクトによる10年間の植生、雪および蒸発散関連データを使用し、高山草地の環境解析・評価を行った。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Biological Sciences
巻: vol. 14 ページ: 311-316
10.3923/jbs.2014.311.316
日本暖地畜産学会報
巻: 57 ページ: 37-47
巻: 57 ページ: 印刷中
http://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/transhimalaya/