研究課題
基盤研究(A)
(目的)現在進行中のボリビア国保健省のシャーガス病制圧プログラムNational Chagas Control Program (NCCP)と協力し、15歳以下の小児の慢性感染患者(血清反応陽性者)に対するBenznidazolベンズニダゾール(Roche)による治療成績に影響を与える原虫および宿主側の因子を明らかにすることを目的として研究を開始した。(全体計画)1999年から7年間科学研究費により推進したボリビアでのシャーガス病研究グループを基盤として、現地での拠点となったCENETROPの分子生物免疫分野と西沢医師(シラニ病院)、日本病院のDr.Gutierrezを主たる研究協力者として新たに本研究を開始した。研究は病院ベースの治療研究となる。当初対象を3つの病院(各地域のシャーガス病に関する基幹病院)としたが、NCCPとの連携の都合により、対象病院をサンタクルース近郊のワルネス総合病院に変更した。(本年度実績)1.倫理委員会へのプロトコールの提出と承認(長崎大学およびボリビア保健省)研究代表者がボリビアで実施に関する研究協力者との会議を開催し、NCCPの代表とも協議したうえで、プロトコールを作成し、協力機関であるCENETROPの所長から保健省の倫理委員会に審査の申請を行った。現在審査中であるが、ボリビア国内の政情不安で現在まだ承認が得られていない。2.CENETROPの分子生物免疫分野を通しての現地スタッフの採用契約、さらにCENETROPおよび3つの地域病院の検査室の設備機器などのセットアップCENETROP内の実施責任スタッフとして2名を契約した。またNCCPチームのコーディネーターを一名指名し実務を行ってもらうこととした。いずれも協力機関として無償でおこなう。CENETROPには今後のサンプリングや診断、治療後のフォローのための機材を搬入した。
2: おおむね順調に進展している
初年度の目標は、研究施行のためのチーム体制を整備し、協力病院および保健省シャガス治療プログラムとの連携を確認後、実際に研究のシュミレーションを行った後、研究プロトコールを作成し倫理審査に申請することであった。これを完全に実行した。これに加え、地域住民との説明会を行い、広く理解を得るための努力も行った。
倫理審査の承認後、すでに動いているワルネス総合病院での治療プログラムにおいて、患者の参加をお願いし、プロトコールに沿った採血や検査を行う予定で、特に問題点はない。倫理審査が多少遅れているので、進行状況を再度問い合わせ、迅速な対応をお願いする。
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PLoS Negl Trop Dis
巻: 6(3) ページ: e1587
doi:10.1371/journal.pntd.0001587