研究課題
デングウイルス(DENV)感染は、世界的に主要な公衆衛生問題である。その病態はサイトカインストームと呼ばれ過剰な免疫刺激状態と思われる。ガレクチン9(Gal-9)は可溶性のガラクトシド結合レクチンで、免疫調節及び抗炎症活性を持つことが報告されている。私達は2010年にマニラで発生した65例のデングウイルス感染者の血漿を収集し、血漿Gal-9及びサイトカイン・ケモカインレベル、デング遺伝子型、コピー数を検索した。さらに臨床症状とGal-9の相関も検討した。検体は発熱期と回復期にわけて採血をした。正常者は196pg/mlで発熱期ではデング熱患者は1407pg/mlでデング出血熱では2464pg/mlと有意に高値を示した。コントロールの非デング熱患者:レプトスピローシスでは616pg/mlで同じ感染性の発熱疾患であるのにもかかわらずデング熱が特異的に高値であることが示された。回復期ではデング熱、デング出血熱では有意に減少した。Gal-9値はウイルス量、単球数、炎症分子、凝固系マーカーと相関し、重症度を反映できることを示した。判別分析はeotaxin、Gal-9、IFN-alpha2及びMCP-1の組み合わせで特異性が見られた(P<0.01) 。この組み合わせを用いることにより,デング出血熱の92% 及びデング熱の79%を鑑別することができることがわかった。これらよりGal-9はデングウイルス感染症の新規マーカーであることを証明した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://news.mynavi.jp/news/2013/10/31/056/