研究課題
線形変換を用いることにより、インデックス生成関数を表現するための変数の個数を削減する効率の良いプログラムを開発した。これにより、関数実現に必要なメモリ量を大幅に削減できるようになった。今期の大きな成果は以下の通りである。1.フィンランドで開催された国際会議ISMVL-2011(多値論理国際シンポジウム)で、インデックス生成関数に関する招待講演を行った。また、それを纏めた論文が専門雑誌(Journal of Multiple-Valued Logic and Soft Computing)に招待論文として掲載される予定である。2.メモリを用いた論理合成に関する単行本を米国から出版した。T. Sasao, "Memory-Based Logic Synthesis," Springer March 2011.このうち、インデックス生成関数に関する部分は、pp.88-135である。線形変換を用いて、変数を削減する方法に関しては、基本的な部分のみ書かれている。さらに能率の良い方法を開発のため、来年度以降も研究を続ける予定である。3.LSI設計に関するトップレベルの国際会議(ASPDAC2012とDATE2012)に線形変換の論文が採択された。また、国際会議DATE2012のデモセッションで、実演を行った。4.繰り越し分の予算を用いて、来訪が遅れていたJon T. Butler教授が日本に来訪し、75日間にわたる共同研究を行った。また、共同研究の成果として、二つの国際会議論文を発表した。
2: おおむね順調に進展している
線形変換の方法として、ある程度、実用的なアルゴリズムが開発できた。線形変換は、コンピュータネットワーク用ルータやウイルスチェック回路の合成に有効なことが明らかになった。
関数のクラスにより、アルゴリズムが有効なものとそうでないものが明らかになってきた、今後は、種々の関数に対して有効な複数のアルゴリズムを開発して、関数の性質により、アルゴリズムを使い分けることにより、効率を改善する必要がある。
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IEICE Transactions on Information and Systems
巻: Vol. E95-D, No.2 ページ: 364-373
http://www.lsi-cad.com/sasao/Papers/pub2012.html
Journal of Computational and Applied Mathematics
巻: Vol. 235, Issue14 ページ: 4076-4082
10.1016/j.cam.2011.02.033
http://www.lsi-cad.com