研究課題/領域番号 |
23300023
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
板野 肯三 筑波大学, システム情報系, 教授 (20114035)
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研究分担者 |
新城 靖 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00253948)
佐藤 聡 筑波大学, システム情報系, 講師 (90285429)
中井 央 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (70301083)
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キーワード | 計算機システム / ネットワーク / 個人情報保護 / World Wide Web / コールバック / クロスサイト・スクリプティング攻撃 / 国際研究者交流 / アメリカ |
研究概要 |
現在のWorld Wide Webは、クライアント・サーバ・モデルに基づき構築されている。この形態は、サービス提供者側に静的なコンテンツがある時にはよい。しかし、個人情報を繰り返し入力する必要があり、また、クロスサイト・スクリプティング攻撃を防ぐことが簡単ではないという問題がある。 本研究の目的は、現在のWorld Wide Webのアーキテクチャを全面的に見直し、最初から設計し直すことで、現在のアーキテクチャが持つ上記の問題点を解決することである。この目的を達成するために,本研究では、サービス提供者側から利用者側を呼び出す(コールバックする)という方法を用いる。研究期間内にコールバックのプロトコルを設計し、新たにWebサーバ、Webブラウザ、ルータ、個人情報バングといったプログラムを実現することで、提案する新しいWebアーキテクチャの概念を検証する。 平成23年度には.コールバックを実行するためのWebサーバ、および、Webブラウザを実現した。Webサーバとしては、Ruby言語用のアプリケーション・コンテナであるWebrickを用いて実現した。Webブラウザとしては、当初、ブラウザでありながらサーバ機能を持つOpera Uniteを用いて実現を進めた。しかしながら、Opera Uniteには、証明書による呼び出し元の検証を行う機能がないことが判明した。そこで、通常のブラウザとWebrickを組み合わせることにした。現在までに、証明書を用いない状態でコールバックを可能になっている。また個人情報を取得するための標準的な手続きを定めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的で述べた分散型ブラウザの機能の大部分を実現しつつある。研究の計画では、ブラウザ本体の機能としては、入力フック、および、出力フックの機能を追加と述べたが、現在までにその機能をを用いることなく研究の目的が達成される見通しを得ている。
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今後の研究の推進方策 |
現在の分散型ブラウザは、利用しているSkypeに障害が発生すると利用できなくなるという問題が判明した。今後は、基盤層の機能として、XMPP(Extensible Messaging and Presence Protocolを利用するものを実現したいと考えている。これにより、Skypeに依存している問題を解消し、単一障害点をなくす。
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