研究概要 |
本研究では,トラヒック量に応じた適切な規模で動作するネットワークを実現することを目的として,エネルギー消費を考慮したネットワーク制御アーキテクチャの研究開発に取り組んでいる.平成23年度は,アクセス網および基幹網のそれぞれについて個別に省電力化を行う方式を検討し,シミュレーションによる初期段階の性能評価を実施した. (1)ピークトラヒック量推定に基づく動的網再構成技術 ネットワーク内部で消費される電力を最小化するために,まずトラヒック集約による消費電力削減効果について検討した.今年度はまず,ノードに含まれるモジュールとしてインタフェースに着目し,インタフェース単位で休止させた場合とノード全体を休止させた場合の電力削減量を考慮し,トラヒック集約を行うための指標を検討した.さらに,稼働状態にあるインタフェースにおいて設定された回線速度とトラヒック量に応じた消費電力量の関係を調査した.これらの結果をふまえて,トラヒック量に応じて適切な網の規模で動作するための経路制御方式を検討し,シミュレーションによってその性能評価を行った. (2)帰属集約制御による無線ネットワーク省電力技術 アクセス網側における省電力化のために,端末の稼働台数およびトラヒック量に応じて,無線端末が帰属(アソシエーション)している基地局を変更し,端末を少数の基地局へ集約する方式を検討し,基礎的な性能評価を実施した. (3)ネットワーク省電力化のための有無線統合制御技術 主に有線網と無線網を統合した省電力制御技術を実現するために,まず既存研究の調査を行うとともに,本研究で取り組む各サブテーマを統合する方式の検討を開始した.
|