研究課題/領域番号 |
23300029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
滝沢 誠 成蹊大学, 理工学部, 教授 (80188119)
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研究分担者 |
バロリ レオナルド 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (40312722)
小山 明夫 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60315679)
榎戸 智也 立正大学, 経営学部, 准教授 (10360158)
池田 誠 福岡工業大学, 情報工学部, 助教 (10592941)
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キーワード | P2Pネットワーク / 省電力化 / エコシステム / 分散システム / ネットワーク / 信用可能性 |
研究概要 |
本研究では、PC、サーバ、センサ等の種々の情報機器から構成される大規模な完全分散型P2Pシステムにおいて、要求サービス品質(QoS)を保障しながら消費電力を低減するためのモデルと資源配分アルゴリズム、通信プロトコルについて研究を行う。まずP2Pモデルでの、ピア間の協調動作を行うモデルの研究を行った。ここでは、オブジェクトを操作するメソッド、アクセス権といったサービス種類と品質に加えて新たに消費電力を考え、知人ピアの信用可能性の定義と定式化を行った。特に消費電力については、種々の応用プロセスを動作させたときのサーバ等の消費電力を実測し、この実測データを基に、電力消費モデルSPC,MLPC等を構築した。次に、このピア間の信用可能性モデルを基に、各ピアは知人ピアの中から要求に対して信用可能な知人ピアを選択し、サービスを要求する方式についての研究を行った。本研究では、応用をCPU、二次記憶、通信を主に行う3つの型に分類し、各々の型に対する知人ピア選択アルゴリズムを研究した。実際の応用ではこれらの型が混在している。このため、混在型応用について、信用可能な知人ピアを見つけるアルゴリズムを研究した。これらのアルゴリズムを実装し、数百程度のピア数から成る環境でのシミュレーションを行い、要求を満足するピアの発見率、時間、メッセージ数等の通信負荷に加えて、消費電力を測定し、本研究で構築したモデルの妥当性を検証した。2011年9月29日(木)、30日(金)に、山形大学(米沢)で全メンバによる研究会を開催し、議論を行った。研究成果は、IEEE Transaction等の国際学術論文誌、IEEE AINA等の国際会議に積極的に公表するとともに、IEEE AINA,BWCCA,CISIS,NBiS等の国際会議を主催し国際的な評価を得てきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に基づいて、研究が進展している。研究成果は、IEEE Transaction等の国際学術論文誌に掲載し、活発に活動を行っている。研究代表者と分担者は、研究会を開催するとともに、IEEE AINA2012,NBiS2011,BWCCA2011,CISIS2011等の国際会議も主催する等により頻繁に会合を持ち議論を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づいて研究を推進する予定である。平成23年度の研究により得られた信用可能性概念と通信プロトコルの関係についての研究を推進するために、新しいメンバDr.Ailixier Aikebaier(NICT)を加える予定である。電力消費モデルについては、multi-core CPU等についても適用できるように拡張を行う予定である。システムの大規模化について、研究を進める必要がある。研究代表者、研究分担者間での共同研究の成果を上げるために、特に、国際的な活動を、国際会議IEEE AINA等を主催し、研究成果を公表し、海外の一流の研究者と交流し意見交換を行ないながら研究を推進する。
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