研究課題/領域番号 |
23300029
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
滝沢 誠 成蹊大学, 理工学部, 教授 (80188119)
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研究分担者 |
BAROLLI Leonard 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (40312722)
小山 明夫 山形大学, 理工学研究科, 教授 (60315679)
榎戸 智也 立正大学, 経営学部, 准教授 (10360158)
池田 誠 福岡工業大学, 情報工学部, 助教 (10592941)
エリシール アクバール 独立行政法人情報通信研究機構, その他部局等, 研究員 (10635098)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | P2Pシステム / 省電力化 / エコシステム / 分散システム / コンピュータ・ネットワーク |
研究概要 |
第2年度では、ピアでの消費電力低減のための種々の処理方式、アルゴリズム、通信プロトコルについて研究を行なった。まず、ピア間の信用可能性概念の定式化を行なった。さらに、多コアCPU、ファン等の冷却装置等が消費電力に与える影響を考察し、種々のコンピュータを対象として、初年度に構築した電力消費モデルを拡張、改良した電力消費モデルを考案し、より実用的なものとした。ピア間の信用可能性概念とコンピュータの電力消費モデルを基本として、以下の方式の設計と開発を行なった。 1. P2Pシステムのアプリケーションを、CPU、二次記憶装置、通信の資源の各々を主に利用する計算(CP)型、記憶装置(ST)型、通信(CM)型の各アプリケーション型に分類した。各アプリケーション型のプロセスを実行したときの電力消費モデルを用いて、プロセスを実行するためのピアを、QoSを満足し消費電力を低減できるように、P2Pオーバレイ・ネットワーク上で発見する方式を研究した。 2. 実際のアプリケーションでは、CPU、二次記憶装置、通信の三種の資源が複合的に利用される。このため、CP, ST, CMの応用型が複合した一般的なモデルを考案した。複合型応用に対して、QoSを満足しながら消費電力を低減できるようにプロセスを実行できるピアを発見するアルゴリズムを研究し、消費電力、実行時間について評価した。 3. 大規模、異種ネットワークでの信頼性があり有効な通信方式を、ネットワーク上で中継を行うピアの信用可能性をもとに研究した。大規模な異種のネットワークで、ピアから送信されたメッセージを各ピアに、信頼性をもって有効に転送する通信プロトコルを設計し、プロトタイプの実装を行なった。中継ピアとしては信用可能性の高くつ消費電力を低減するものを選択するものである。 研究代表者、分担者を中心にして、バルセロナで研究会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に基づいて、研究は順調に進展している。 研究成果は、IEEE Transaction(IEE TIE, IEEE TII)等の国際学術論文誌に掲載し、国際会議IEEE AINA等に発表を行なう等活発に国際的に活動を行なっている。 研究代表者と分担者は、研究会を開催するとともに、IEEE AINA-2013、NBiS-2012、 BWCCA-2012, CISIS-2012等の国際会議も主催する等により国際的に成果を公表するとともに、頻繁に会合を持ち海外の研究者を含めて議論を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づいて研究を推進する予定である。 電力消費モデルについては、複合的な応用に対しても適用できるように拡張を行うとともに、信頼性向上のためにプロセスを多重にかつ電力を低減するように実行する方式について研究する予定である。また、センサー・ノード等も含めたシステムの大規模化について、研究を進める必要がある。 研究代表者、研究分担者間での共同研究の成果を上げるために、特に、国際的な活動を、国際会議IEEE AINA等を主催し、研究成果を公表し、海外の第一線の研究者と交流し意見交換を行ないながら研究を推進する。
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