研究課題/領域番号 |
23300030
|
研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
佐々木 良一 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (70333531)
|
研究分担者 |
矢島 敬士 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (10385487)
吉浦 裕 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40361828)
増田 英孝 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (00277237)
鮫島 正樹 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80564690)
小林 哲郎 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 助教 (60455194)
|
キーワード | ITリスク / リスクコミュニケーション / 合意形成 / 社会的合意形成支援 / Social-MRC / 多重リスク |
研究概要 |
(1)関与者が数千人に及ぶ人々の間でのITリスク対策に関連する社会的合意形成を支援するため、オピニオンリーダ間のコミュニケーション(第1階層)と一般関与者参加型のコミュニケーション(第2階層)にわける2階層アプローチを統合的に支援するジステムSocial-MRCの構想を固めた。 (2)第1階層の機能を実現するものをMRC-Studioとよび、MRCを改良することによって実現することとし、そのためのプログラムを開発した。 (3)第2階層の機能を実現するものをMRC-Plazaとよび、数千人規模の一般関与者が参加できるようにするためオピニオンリーダたちの討議の様子を動画共有サービスUSTREAMを用い広範囲に中継するとともに、MRC-Studioの出力を示したうえで、Twitterを改良し、選択型意見収集方式を組み合わせ自由に意見を入れられるようにする方式を開発した。あわせてこの方式を実現するための最小の機能を持つプロトプログラムを開発した。 (4)Socia1-MRCのプログラムを2人のオピニオンリーダと30人程度の一般関与者の参加のものにインターネット上で「青少年のための情報フィルタリング問題」に試適用し、合意形成実験を実施した。 (5)一般関与者にアンケートを行い、統計分析を行うことにより、Social-MRCの基本的有効性を確認することができた。 (6)一般関与者が正式の関与者であることを確認できるとともに、匿名性を維持できるための基本方式を確立した。 (7)MRCの定式化方法に精通してない人にもパラメータの値の設定などに参加してもらわなければならないため、定式化が容易にできるようにするための基本方式の検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Social-MRCの構想固め、MRC-Plazaなどのプロト開発、Social-MRCの試適用並びにその評価など、当初計画した通りに進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)MRCの定式化方法に精通してない人にもパラメータの値の設定などに参加してもらわなければならないため、定式化が容易にできるようにするために定式化支援機能を開発するとともに期待制約型最適化問題として定式化したものの高精度求解機能を開発し実験プログラムにより評価を行う。 (2)24年度は100人以上の一般関与者が参加してのインターネット上での実証実験を実施する。 (3)ファシリテータがオピニオンリーダとよりよいコミュニケーションが行えるようにするための方式を確立するとともに、実験プログラムにより評価を行う。 (4)一般関与者が正式の関与者であることを確認できるとともに、匿名性を維持できる方式の詳細化を図り、実験プログラムを作成し、評価を行う。
|