研究課題/領域番号 |
23300048
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
任 向実 高知工科大学, 工学部, 教授 (00287442)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ヒューマンコンピュータインタラクション / Pen-based interaction / Multi-touch interaction / human performance model / User interface design |
研究概要 |
画面を指でタッチするだけで操作できる、マルチタッチインタフェースが広く利用されるようになり、すでに世界各地で製品が登場している。例えば、Apple社のiPhone、Microsoft社のSurfaceとTouchWall、マルチタッチ入力をサポートした「Windows 7」などである。このようにデジタル機器の世界ではタッチパネルによる新しいユーザインタフェース(タッチUI)が主流になっており、携帯電話だけでなくPCにも大きな影響を与えつつある。これらのタッチデバイスにおいて、指によるストロークジェスチャ入力は従来のペンによるストロークジェスチャの流用である。しかし、ペン利用のストロークジェスチャをそのまま指に応用することが妥当であるか否かは実証されていない。ペンジェスチャに関する研究、マルチタッチ(指)インタフェースに関する研究は、それぞれの研究分野で数多く行なわれているが、両者を定量的に比較評価する研究報告は皆無である。 本研究ではペンと指によるストロークジェスチャについてさまざまな特徴(入力時間、サイズ、形状距離、対称性など)を実験により系統的に調査し、ペンと指によるストロークジェスチャの相違(約半々の特徴は相似、半々は類似)を明らかにした。また、ストロークジェスチャの分類を提示し、その分類に基づいた評価技法を提案した。最大の貢献は、従来のペンに適したストロークジェスチャが指操作に適切であるか否かを実験的に解明した点である。 本研究により、指による自然かつ効果的なジェスチャの実現とそれを用いた研究および応用のための有用な知見が明らかとなり、指入力のインタフェースへのデザインに有用なガイドランを提供した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
この期間、Human Computer Interaction (HCI)研究分野における代表的国際会議、ACM CHI 2012に論文2編(採択率23%)を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究方針として、ペン多次元情報インタラクション、指多次元情報(マルチタッチ)インタラクション、触感インタラクションの研究について、被験者による実験的な調査を行い、国内外の研究者の協力を得ながら、進めていく。
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