研究課題/領域番号 |
23300050
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
木村 朝子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20324832)
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研究分担者 |
田村 秀行 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (10367998)
柴田 史久 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80314425)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 複合現実感 / 重心位置 / 硬さ / 視覚 / 錯覚 |
研究概要 |
●研究項目(A):重心位置知覚の錯覚現象(Shape-COG Illusion)に関する課題に関して 人は対象を見ることで,対象への触り方,対象の動かし方そのものを無意識に変化させている.そこで,「Shape-COG Illusion」が起こる場合,起こらない場合で,人がどの様に腕を動かしているのか確認した.具体的には,体験者の前腕に加速度センサ,筋電位センサを装着させ,Shape-COG Illusionが起こる場合,起こらない場合それぞれについて,対象をふる動作を計測したが,加速度,筋電位に顕著な違いは見られなかった. 一方,剛体の実物体に対して,重畳描画する仮想物体を剛体ではなく可動物体(具体的には,容器の中に水が入っている様子を模したCG映像,実物体の揺れに同期して水が揺れる)として実験してみたところ,同じ実物体を振っているにも関わらず,仮想物体が可動の場合の方が,物体をより軽く知覚するという現象を発見した.この現象についても,体験者の前腕に加速度センサと筋電位センサを取り付け,計測を行ったところ,こちらは可動物体のCGを重畳描画する場合と,剛体のCGを重畳描画する場合で,加速度と筋電位の関係に違いが見られた. ●研究項目(B):硬さ知覚の錯覚現象(Dent-Softness Illusion)に関する課題に関して 「Dent-Softness Illusion」が起こる場合,起こらない場合それぞれで,人の手・指の動きを計測したが,動き自体に顕著な違いは見られなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究項目(A)について,当初予定していた実験に加えて,仮想物体として剛体ではなく,可動物体を表示する実験を実施し,興味深い知見が得られたため.
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今後の研究の推進方策 |
●研究項目(A):「Shape-COG Illusion」に関する研究 重心位置が可動な場合の検証:これまでの実験では,対象物を剛体として実験を行ってきたが,本年度は仮想物体のみ内部を可動な物体とし,実物体と仮想物体の異なる運動状態が,力覚を通して実物体の運動近くにどのような影響を及ぼすのか検証する. ●研究項目(B):「Dent-Softness Illusion」に関する研究 指先以外の部位での検証:これまで指先を対象に「Dent-Softness Illusion」の検証を行ってきたが,腕や足など,他の部位に提示した場合についても解析を行う.
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