研究概要 |
エンティティ間の関係に注目したWeb知能化に向けて,前年度に続き以下の研究を行った.(i)潜在関係検索エンジンについてはエンティティはWikipedia中の固有名詞に限定されているが,インデックス化し,英日の言語横断関係検索も含めて実現し,Web公開サービスとした.また関係の対称性({A,B},{C,?})で”?”を見い出すクエリーと({B,A},{?,C})のクエリー)も援用する方法,そして上記で”?=D”が見つかった場合に({A,B},{?,D})で”?=C”が得られるか否かで”?=D”の検証を行う方法等の研究を行った.(ii)テキスト含意認識(Text Entailment Recognition)については,前年度は英文テキストを対象としたが,今年度は日本語テキストを対象とし,T(text)とH(hypothesis)文間で単語単位の含意関係判定をするのに加えて,係り受け関係にある単語対単位での含意判定も加えて,精度向上を計る方法を考案した.(iii)コンピュータにも意味が把握できる共通的な概念記述言語CDL(Concept Description Language)については,自然言語テキストからCDLへの変換が難関であったが,機械翻訳と同様にこの自動変換は困難との認識の下,語義曖昧性解消を介する人で関与の負担の少ない半自動変換法,並びにそのインタフェースを研究開発した.またLinked Open Data(LOD)としてRDF記述のデータが増大してきているが,異なる領域間のオントロジー写像が困難な問題がある.そこで,3つ組RDFの中間項であるpredicateをCDL記述することにより,オントロジー写像問題を克服し,LODの意味的検索を可能とする方策を研究開発した.
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