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2011 年度 実績報告書

マルチエージェントプランニングにおける環境適応型動的連携形態変更機構の創出

研究課題

研究課題/領域番号 23300058
研究機関大阪大学

研究代表者

栗原 聡  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30397658)

研究分担者 菅原 俊治  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70396133)
キーワードマルチエージェント / プランニング / 自律分散 / 動的適応 / 協調メカニズム / 交通制御問題 / 間接協調 / 直接協調
研究概要

人に対して能動的にサービスを提供する自律システムが生活環境に多数遍在する状況が訪れようとしている。個々のシステムが「どの人にどのような働き掛けをどのように実行するのかを決定するプランニング」を行う必要があり、その際に重要となるのが,「個々のシステムがお互いに如何に連携してプランニングを行うか」という問題である。典型的な連携形態としては,(1)直接協調型,(2)間接協調型,(3)中央集権型,の3種類が考えられ,初年度においては,直接協調型と間接協調型の関係について検討を行った.次世代交通制御問題において,各交差点の信号機をエージェントとし,これから分散協調して信号機制御を行う枠組みを提案した.平常時においては,各エージェントは互いに独立して動作しスプリットの計算を行う.具体的には,自身が管理する交差点に流入する交通流に基づいてスプリット値を自律的に制御するが,その影響は交通流の変化を介して,他のエージェントに影響を及ぼす.つまり,交通流をエージェントにおける環境と位置づけ,交通流の変化を介してエージェント同士が「間接協調」を行うことで,突発的なイベントに対して即応することを可能とする.一方,上記ラッシュ時においては,グリーンウェーブを形成するために,関連するエージェント同士が「直接協調」を行い,お互いのオフセット値を適切に設定することでスムーズな交通流を形成する.各エージェントは,通常状態においては間接協調にて動作するものの,上下の交通流のバランスが崩れ,グリーンウェーブを形成するための条件を満たすエージェントが現れると,このエージェントを起点として,関連するエージェント同士においてのみ直接型協調が行われる.よって,直接協調を行うエージェントグループは,これまで間接協調によって安定していた系に対する外乱となるのだが,他のエージェントは引き続き間接型協調を行うことから,この変化に即応することが可能である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

従来は両立させる枠組みについての議論が希薄であった間接協調と直接協調の連携について具体的な応用を念頭とした連携方法の提案,およびその性能評価を行うことが出来た.

今後の研究の推進方策

今年度においては,いよいよ連携の変更を動的に行うメカニズムの創出に取りかかる.各プランニングエージェントの負荷,エージェント間での協調に要する負荷などをパラメータとしてエージェント全体の効率が最大となるように動的に連携形態を更新する手法の提案とシミュレーションによる初期評価を行うことを目指す.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] マルチエージェントモデルによる信号機オフセット制御法の提案2011

    • 著者名/発表者名
      白井嵩士, 矢野純史, 西村茂樹, 香川浩司, 森田哲郎, 沼尾正行, 栗原聡
    • 雑誌名

      人工知能学会誌

      巻: 26-2 ページ: 324-329

    • DOI

      10.1527/tjsai.26.324

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PCにおけるユーザ操作を可視化するタスク想起支援手法の提案2011

    • 著者名/発表者名
      松本光弘, 岡野真一, 森田哲郎, 沼尾正行, 栗原聡
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用

      巻: 4-3 ページ: 35-48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evolving Subjective Utilities : Prisoner's Dilemma Game Examples2011

    • 著者名/発表者名
      Koichi Moriyama, Satoshi Kurihara, Masayuki Numao
    • 雑誌名

      Proc.of AAMAS2011

      ページ: 233-240

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Emergence and Stability of Social Conventions in Conflict Situations2011

    • 著者名/発表者名
      Toshiharu Sugawara
    • 雑誌名

      Proc.of IJCAI2011

      ページ: 16-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficient Team Formation based on Learning and Reorganization and In fluence of Communication Delay2011

    • 著者名/発表者名
      Ryota Katayanagi, Toshiharu Sugawara
    • 雑誌名

      Proc.of CIT2011

      ページ: 563-570

    • 査読あり
  • [学会発表] Human Information Mining as Netizen2011

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Kurihara
    • 学会等名
      IEEE International Workshop on Data Mining for Service (DMS2011)
    • 発表場所
      バンクーバー(カナダ)(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-11
  • [学会発表] 自然の叡智に学ぶ2011

    • 著者名/発表者名
      栗原聡
    • 学会等名
      (財)大阪科学技術センター第2回技術セミナー
    • 発表場所
      大阪(招待講演およびパネル討論コーディネーター)
    • 年月日
      2011-11-28
  • [学会発表] 人間行動マイニング~どのようなデータを収集し何を抽出するのか~2011

    • 著者名/発表者名
      栗原聡
    • 学会等名
      電子情報技術産業協会次世代センシングソリューション技術分科会
    • 発表場所
      東京(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-25
  • [学会発表] マルチエージェントモデルによる分散型リアルタイム信号機制御システム2011

    • 著者名/発表者名
      白井嵩士, 小中裕次郎, 矢野純史, 西村茂樹, 香川浩司, 森田哲郎, 沼尾正行, 栗原聡
    • 学会等名
      第25回人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2011-06-02
  • [学会発表] アンビエント環境における経験型強化学習を用いたインタラクティブデバイスの制御2011

    • 著者名/発表者名
      中瀬絢哉, 森山甲一, 清川清, 沼尾正行, 栗原聡
    • 学会等名
      第25回人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2011-06-02
  • [図書] Ant Colony Optimization-Methods and Applications, Publisher : In Tech ISBN : 978-953-307-157-22011

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Kurihara, Hiroshi Tamaki, Kenichi Fukui, Masayuki Numao
    • 総ページ数
      101-112(342)
    • 出版者
      Adaptive Sensor-Network Topology Estimating Algorithm Based on the Ant Colony Optimization(章分担)

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公開日: 2013-06-26  

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