研究課題/領域番号 |
23300060
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
平山 勝敏 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 准教授 (00273813)
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研究分担者 |
松尾 啓志 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00219396)
松井 俊浩 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60437093)
飯塚 泰樹 東海大学, 理学部, 准教授 (80580844)
横尾 真 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20380678)
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キーワード | 分散最適化 / エージェント / グリーンコンピューティング |
研究概要 |
本年度は分散最適化に関する基礎研究および応用研究として以下の課題に取り組んだ。 1.一般化相互割当問題の再定式化 従来の一般化相互割当問題では、実行可能な例と実行不可能な例をそれぞれ別の方法で定式化する必要があった。本研究ではそれらを統一する新しい枠組みを考案する。本年度は、割り当てられないジョブ数を最小化し、そのもとでエージェントへのジョブの割り当てコストの総和を最小にする新しい定式化を提案し、これにより実行可能な例と実行不可能な例が統一的に扱えることを確認した。また、この新しい定式化のもとでラグランジュ分解に基づく新しい分散解法を考案した。 2.複雑な部分問題を扱う分散制約最適化アルゴリズム 従来の分散制約最適化アルゴリズムの多くは、基本的に1エージェントあたり1変数という単純な問題を想定して設計されていた。本研究では1エージェントあたり複数変数という複雑な問題を扱う新しいアルゴリズムを考案する。本年度は、エージェント間コスト関数をベクトル行列表現による最適化問題として記述する2次符号化(quadratic encoding>という手法を開発し、部分問題を解く際に任意の既存COPソルバーを使用できる新しいラグランジュ分解型の解法を考案した。 3.分散協調型エネルギー供給量決定プロトコル 本研究では、分散最適化技術の環境関連問題への応用として、エネルギーの供給地と需要地が協調して効率的なエネルギー配分量を求める新しいシステムを考案する。本年度は、この問題を、複数供給地と複数需要地からなる2部グラフ上の施設配置問題として定式化し、それを解く分散協調型プロトコルを設計した。 また、DCOPアルゴリズムによる分散協調的な資源配分、DCOPに対する精度保証付きの非厳密解法/多重化近似アルゴリズム、多目的DCOPに関する研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎研究については、いくつかの本質的な進展があった。応用研究については、より現実的な状況をモデル化するためにモデルの洗練化が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究については、今年度考案した分散解法の詳細な評価を行なう予定である。応用研究については、スマートグリッド等への応用を目指したモデルの洗練化を行なう予定である。具体的には、2部グラフに限定していた施設配置問題をの般的な形状のグラフへ拡張すること、一般化相互割当問題ではなくアルゴリズムの選択肢が多いDCOPでモデル化すること、等を検討している。
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