研究課題/領域番号 |
23300060
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
平山 勝敏 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (00273813)
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研究分担者 |
松尾 啓志 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00219396)
横尾 真 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (20380678)
松井 俊浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60437093)
飯塚 泰樹 東海大学, 理学部, 准教授 (80580844)
沖本 天太 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (10632432)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 分散最適化 / エージェント / グリーンコンピューティング |
研究概要 |
(1)レベル付き一般化相互割当問題:割り当てられない財の数を最小化し、さらに割り当てコストを最小化する問題をあらたに多層一般化相互割当問題と呼ぶ。この問題に対して2段階最適化手法とペナルティコスト最適化手法を提案し、それぞれについて過制約な一般化相互割当問題のためのプロトコルであるDisLRP-DAとDisLRP-IBFを適用して評価を行った。その結果、ペナルティコスト最適化手法におけるDisLRP-DAが最も有効であることが分かった。 (2)複雑な部分問題を扱う分散制約最適化アルゴリズム:1000エージェントからなる異なる形状のグラフ(ランダム、グリッド、スモールワールド、スケールフリー)を用いた実験により、従来アルゴリズムであるDALO、EU-DaC、MaxSumと提案アルゴリズムDeQEDを比較した。その結果、DeQEDは、準最適解の質および収束の速さの両面で他のアルゴリズムよりも優れていることが分かった。 (3)多目的分散制約最適化問題とその解法:多目的分散制約最適化問題に対してマンハッタンノルムを用いた動的計画法によりパレート解を発見する厳密解法と近似精度保証のある近似解法を提案し、理論的な解析を行った。 (4)MC-nets上でのコア非空性判定アルゴリズム:従来、重み付きグラフによる表現を前提としたコア非空性判定アルゴリズムを設計していたが、それを一般化してMC-nets表現を前提としたコア非空性判定アルゴリズムを考案した。 (5)分散協調型エネルギー供給量決定プロトコル:供給エージェントと需要エージェントに加えてあらたに中継エージェントを導入し、それに基づく新しい定式化およびアルゴリズムについて検討した。 (6)分散協調型車両運用計画:分散制約充足アルゴリズムを構成して簡単な評価を行った。その結果、局所問題がUNSATのとき性能が劣化する場合があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)と(3)のテーマで現在国内論文誌に投稿中であり、(2)のテーマでは国際会議IJCAI-2013にfull paperで受理されている。また、(4)と(6)のテーマについては6月の国内研究集会で発表予定である。このように本研究課題のもとで進めている複数のプロジェクトにおいて順調に成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究については、一般化相互割当問題と分散制約最適化問題の研究がある程度進んだため、今後少しテーマを広げていく予定である。具体的には提携形ゲームの問題、MaxSATなどに取り組むことを検討する。また、応用研究については、2つのテーマ(分散協調型エネルギー供給と分散協調型車両運用)の進み具合を見ながら、今後の両者への資源配分を調整する予定である。
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