研究課題/領域番号 |
23300077
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
稲邑 哲也 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (20361545)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Human-Robot Interaction / 仮想現実 / 知能ロボット / 機械学習 |
研究概要 |
平成24年度は,知能ロボットと人間との対話を仮想世界で行うための身体的・社会的対話シミュレータの開発をさらに推進させた.平成23年度までに,Kinectと呼ばれる身体運動計測装置およびヘッドマウントディスプレイによるAugmented Reality環境を構築したが,平成24年度はそれに音声認識・音声合成による音声対話機能を追加しインタフェース機能を強化した.これにより,ロボットと距離感を感じながら三次元空間を共有しつつ,Face-to-faceの音声付き対話,ジェスチャー,身体動作による教示,物体操作教示などを実現可能とした.この機能を用いることで,道具の使い方を学習するロボットに対してユーザが道具および対象物の動かし方をリアルタイムで教示するシステムを構築し,統計的情報処理によって効率的な学習を行うことが可能であることを確認した. さらに,より実践的な社会的知能の検証実験を行うフィールドとして,日常生活環境でのリビング・キッチン環境に着目し,車輪型移動ロボットおよび二足歩行型のヒューマノイドロボットが人間と対話を行いながら協調作業を行う実験の状況を仮想環境内に構築した.この仮想フィールドを用いて,先に述べた道具の使い方の学習のみならず,手順に従って料理を協調して作るというタスクにおいて,人間との対話の円滑性を評価する枠組みを構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度導入した音声対話機能により,Face-to-faceの音声付き対話,ジェスチャー,身体動作による教示,物体操作教示など,本研究課題が対象としている身体的・社会的対話に必要な機能は全て実装された事になる.また具体的な実験フィールドとしてのキッチン・リビング環境の構築もほぼ完了した.これらにより後半の研究期間での具体的な対話実験をスムースに進められる事ができる.
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今後の研究の推進方策 |
RoboCup@Home と呼ばれるロボット競技のシミュレーションを,本研究課題で開発したシミュレータを用いて実現する.その競技における人間とロボットとの対話の履歴を大規模データベースとして蓄積し,そこから言語獲得やスキル獲得などを行うためのフレームワークを実現して行く.
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