研究課題/領域番号 |
23300078
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
原田 研介 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, タスクビジョン研究グループ長 (50294533)
|
研究分担者 |
音田 弘 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (40356746)
山野辺 夏樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (90455436)
吉田 英一 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究体長 (30358329)
永田 和之 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (10357634)
|
キーワード | 知能ロボット |
研究概要 |
シミュレータから接触・変形を含む物体の挙動を取得し,変形と接触力を考慮した作業計画・運動計画や運動制御を行うための基礎的事項を検討した. まず、嵌め合いのシミュレーションを行うためのシミュレーション環境を整備した。具体的には、柔軟性が存在する作業対象物を選定し、その対象物を用いてロボットによる嵌め合いを行う作業環境をOpenHRP上で構築した。次に、上記シミュレータを用いて嵌め合いのシミュレーションを行った。その結果、嵌め合いの際に対象物に加わる力・モーメントと接触点の時間軌跡を求めた。次に、対象物のポリゴンモデルが与えられた際に、このポリゴンモデルをクラスタリングし、対象物の表面を平面として近似可能な領域に分割するアルゴリズムを構築した。 この時、嵌め合いの際の接触点の軌跡をシミュレーションにおいて導出したが、この接触点がどのクラスタに属すかを導出した。これにより、接触点の移動を接触点が存在するクラスタの変化とみなすことができた。これにより、ロボットの初期姿勢から最終姿勢に至るまでのクラスタの変化の軌跡を表すグラフを構築した。これは、柔軟物体に対する接触状態の遷移を表すグラフである。ここで、シミュレーションにおいては、ロボットの手先に力・トルクセンサを仮定し、嵌め合いを行う際には、この力・トルクセンサの情報をフィードバックすることで、コンプライアンス制御を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シミュレータの構築、接触状態遷移グラフの構築、ロボット制御則の構築は予定通り進んだ。しかし、ハイブリッド状態遷移グラフを用いたロボット制御則の作成に当初予想に反し時間を要し計画に遅延が生じた。これにより、作業スキルの抽出に関しては次年度に持越しとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
実際にロボットを用いて提案する手法の有効性を検証する.平成23 年度に構築した状態遷移グラフを基に,これを実際の組立作業に適用する手法について研究する.そして,双腕ロボットを用いて実験を行う.この双腕ロボットは両方の手首に6軸の力・トルクセンサを備えている. より具体的に,遷移グラフを探索するアルゴリズムを構築する.このアルゴリズムで は,対象物を初期状態から組立が完成する状態まで導くノードの系列が求まる.これにより,対象物の位置・姿勢と対象物同士の接触状態に関する軌道が導出される. また,手首に取り付けられた力・トルクセンサの情報をフィードバックしながら,接触力を制御し,双腕ロボットを用いて作業を安定に実行するためのアルゴリズムを構築すると同時に実験による検証を行う.
|