研究課題/領域番号 |
23300079
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
松永 理恵 静岡理工科大学, 総合情報学部, 講師 (70399781)
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研究分担者 |
横澤 宏一 北海道大学, その他の研究科, 教授 (20416978)
阿部 純一 北海道大学, その他部局等, 名誉教授 (40091409)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 音楽感性情報処理 / 調性的体制化 / 調性スキーマ / 文化差 / 脳磁場計測法 / コネクショニストモデル / 学習 / 習熟 |
研究概要 |
西洋音楽の調性スキーマと日本伝統音楽の調性スキーマの両方をもつ日本人bi-musicalの脳活動を,脳磁場計測装置(MEG)を用いて調べた。実験の結果,日本人bi-musicalが西洋音楽と日本伝統音楽の調性処理を行う際,それらの信号源は共に下前頭回の周辺に位置しながらも有意に離れていることが明らかになった。 ニューロイメージング研究と並行して,計算論的モデリング研究も実施した。コネクショニストモデルが調性処理能力を学習できるかどうかを確かめるため,多層型パーセプトロンのコネクショニストモデルを構築した。そして,人間の聞き手が日常生活で体験するような西洋音楽をモデルに曝したところ,西洋音楽の聞き手が知覚する調と矛盾しない調を出力できるようになることを示す結果が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Bi-musicalの調性処理に関与する神経基盤を調べた実験の結果をまとめ,国際的な雑誌(Neuropsychologia)において発表した。また,bi-musicalとmono-musicalを比較する実験,および,bi-musicalの聞き手の習熟度に伴う神経基盤を調べる脳実験を実施した(現在はデータ解析および論文の執筆中である)。さらに,神経回路網モデル(コネクショニストモデル)の基本構造も予定通り完成し,そのモデルが人間の調性処理の説明枠組みとして有効であることをシミュレーションを実行して確認した。
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今後の研究の推進方策 |
ニューロイメージング研究では,bi-musicalの脳活動が第二音楽の習熟レベルや習得し始めた時期によって変化するかどうかを調べる。また,計算論的モデリング研究では,西洋音楽に曝されたコネクショニストモデルがどのような過程を経て,調性スキーマを学習していくのか,その過程を詳細に調べる。
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