研究課題/領域番号 |
23300080
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90250828)
|
研究分担者 |
荒木 剛 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20510556)
野澤 孝之 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60370110)
|
キーワード | 感性評価 |
研究概要 |
機能的MRIを用いて、実験室環境下において、さまざまな視覚刺激に対する好感度の評価中の脳活動を計測し、感性評価に関わる大脳皮質領域を同定することが平成23年度の研究目標であった。右利きの健康な大学生を対象として、様々な写真を感性評価用の視覚刺激として用い、それぞれの刺激に対する好感度や好みを、事前に、ビジュアル・アナログ・スケールを用いて被験者に評価させた上で、個人ごとに好感度や好みの度合い高い刺激、好感度や好みの度合いが低い刺激、ニュートラルな刺激に分類し、機能的MRI実験に用いた。東北大学加齢医学研究所の研究専用超高磁場MRI装置を用いて、視覚刺激に対する好感度や好みの度合いの判断を、ブロックデザインを用いて撮像し、個人ごとに好感度の判断に関与する脳の領域、特に好感度を強くもった時と、ネガティブな感覚を持った時に活動する脳領域を同定した。その結果、単に視覚刺激の好感度を判断させた場合には、好感度を強くもった時と、ネガティブな感覚を持った時に共通して、背外側前頭前野、頭頂連合野など多くの連合野が賦活すること、好感度を強く持った時にのみ、背内側前頭前野が賦活することを発見した。背内側前頭前野は、近赤外分光装置によりデータを得やすい領域であることから、この領域に関心領域をおくことにより、提示された画像に好感を持っているか否かのデコーディングを、近赤外分光装置によって行い得ると確証した。物品の購買意欲の観点から好感度(好み)を判断させた場合は、前部帯状回や腹側被蓋野など、大脳深部の領域の活動が好感度と関連することもわかった。これらの領域は近赤外分光装置では計測が極めて困難であるため、デコーディング実験は見送ることとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響によってMRI装置が故障し実験ができなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度に関しては近赤外分光装置によるデコーディング研究を当初の研究計画通り遂行する。
|