研究課題/領域番号 |
23300080
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90250828)
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研究分担者 |
荒木 剛 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20510556)
野澤 孝之 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60370110)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 近赤外分光装置 / 好感度判別 / 背外側前頭前野 / 快適性評価 / 感性情報デコード |
研究概要 |
比較的信号ノイズ比の高い多チャンネル近赤外分光装置を用いて、平成23年度の実験に参加した同じ被験者に同じ好感度判別課題を遂行させ、前頭連合野の活動を計測した。被験者は実験室において机に正対して座らせ、PC上に提示する写真を見させた。写真刺激は、計60種類の刺激を3秒ごとに提示した。結果、機能的MRI実験と同様に、背外側前頭前野は好感度の強い画像と、ネガティブな画像の双方で強く賦活し、背内側前頭前野は、好感度を持つ画像でのみ賦活することが証明できた。次に機械学習によるデコーディングを行うため、測定した全チャンネルを解析対象とし、最初に主成分解析により情報量を減らした後に機械学習による解析を試みた。その結果、約83%の精度で、好感度を持った画像をみていることを、一回の計測で判定できることが可能となった。ネガティブな画像に関しても、最終的に約78%で判定が可能であった。局所のチャンネル情報に注目をすると、背内側前頭前野の信号を最も強く反映する前頭部正中とその近傍のチャンネルの信号が学習結果に最も強く寄与していることがわかった。 また、視覚以外のモダリティに関する感性応答を調べるために、温熱環境の快適性評価を多チャンネル近赤外分光装置を用いて行った。その結果、快適性と相関する脳活動増加が、好感度と同様に、前頭部正中とその近傍のチャンネルに現れることを証明した。 近赤外分光装置による計測では、機能的MRIとは異なり、1回の事象に対する脳反応の評価が可能であり、前頭部正中及びその近傍のチャンネルの情報を解析することにより、モダリティによらない、刺激に対するポジティブな感性情報をデコードできる可能性があると考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は東日本大震災の影響で実験開始が遅れたが、平成24年度は計画通りに実験を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り研究を進め成果を対外発表する。
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