研究課題/領域番号 |
23300081
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北村 喜文 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80294023)
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研究分担者 |
伊藤 雄一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (40359857)
大坊 郁夫 東京未来大学, モチベーション行動科学部, 教授 (50045556)
高嶋 和毅 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (60533461)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 感性インタフェース / コンテンツ |
研究概要 |
複数の人が会話を行う「場」の状態をセンシング・推定し,その結果を利用してリアルタイムにフィードバックをかけることで,「場」の状態を制御(活性化または抑制するなど)するための要素技術を確立するのが本研究の目的である.そのために,情報科学と対人社会心理学の両分野の研究者の協力により,研究課題に取り組んできた.本年度は,まず,「場」の状態を表わす指標として,対人コミュニケーション・チャネルに関する検討を行い,個人ごとの発話量や手・頭の動きに加えて,視線や対人距離,また複数人によるこれらの行動の同時性など複合的指標を加え,「場」の状態への影響度を算出して,その状態を同定する方法について検討した.そして,「場」の状態を表わす指標を整理してそのための情報を取得するセンサを決め,実験環境に配置した.そして,センサを装着した初対面の3 人の参加者で会話し,その「場」の状態を評価する実験を行った.また,6名の実験参加者でも同様の実験を行った.その結果から,センサによって取得されるデータから表される各指標を用いて「場」の状態を推定する重回帰式を求めた. 次に,実験で用いるためのコンテンツを,物理的・空間的側面と情報内容的側面の両面からいくつか試作した. 1つはテーブル型情報コンテンツで,テーブルそのものの割り込みが対人コミュニケーションに及ぼす影響に関する検討を行った.他には,基本的なインタラクションの1つであるポンティングについて検討し,また,コンテンツの個々の要素がインタラクションなどの状況に応じて柔軟にかつ自律的に離合集散を繰り返しながら新たなコンテンツを自動的に作り出す新しい情報コンテンツ制作の方法を,生物の基本行動原理を参考にしたアルゴリズムで実現した.また,推定された「場」の状態に応じて新たな刺激を外部からフィードバックとしてかけることで,その状態の制御を試みる実験空間を試作した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
情報科学と対人社会心理学の両分野の研究者の協力による研究課題への取り組みが軌道に乗ってきた.
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今後の研究の推進方策 |
コンテンツを中心とする情報科学/工学と,人と人のコミュニケーションを対象とする対人社会心理学の双方の知見の相乗効果を発揮した研究成果により,未来の人類の豊かな生活を築くための1つの力にしたい.
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