研究課題/領域番号 |
23300082
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
尾崎 繁 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60292546)
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研究分担者 |
岩本 義輝 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50184908)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 感性情報学 / 意思決定 / 動物モデル |
研究概要 |
人の意思決定プロセスの理解は、報酬系・情動系の脳内機構の解明だけでなく、その成果を感性工学的、神経経済学的な応用へ繋げる意義を有する。本年度は感性情報に基づいた意思決定プロセスを客観的に評価する実験パラダイムと解析方法の開発を目指し、人、および人と類似の特質を示す霊長類動物モデルを用いた研究を並行して実施した。 人を対象とする実験: 様々な感覚入力に対する脳内情報処理を反映する事象関連電位に着目し、意思決定の基となる「判断」に関わる神経ネットワークを精査するために、種々の刺激画像を様々な時間間隔で提示した時に、それぞれの判断応答に対応した事象関連電位を記録解析するシステムを構築した。「数の大小の判断」において、数字ペア刺激画像の提示間隔(1~10秒)を変えると大小判断の応答時間が変わることを既に見出しているので、この現象に着目し、この課題遂行中の被験者から脳波を記録し、事象関連電を解析した。 動物を対象とする実験: 意思決定の感性情報処理に関わる神経基盤の解明を目指し、小型霊長類コモンマーモセットを用いた報酬行動課題を開発している。視覚刺激を提示し、応答を入力するタッチパネルモニタ、応答に対して報酬を与える装置、これらを制御するコンピュータとソフトウエアからなるシステム、刺激提示とその行動選択応答(報酬装置作動)のタイミング、行動観察用ビデオカメラを連動させた記録解析システムに改良を加えながら、動物のトレーニングに着手した。自由行動下の動物の心電図等を記録するために、生体電気活動記録ワイヤレスモニタリングシステムの導入に必要な環境と手法を整備した。麻酔下動物(ラット)の急性実験において、胸部皮下に静置した小型送信器を用いて胸部誘導心電図波形の安定したワイヤレス記録を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者の退職に伴う予想外の減員があったが、本研究課題の遂行に必要な人の実験と動物の実験のシステムはおおむね整ったので、今年度は実験の段階に到達した。それぞれの実験システムに改良を加えて精度と効率を高めつつ、データの記録と解析を今後進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者の退職に伴う減員が生じているが、今後も連携研究者あるいは研究協力者として本研究課題の遂行に緊密に関わることになっているので、当初の方針に従って研究を推進していく。 人を対象とする実験では、これまでに実施した行動心理実験の結果の解析を進める。 マーモセットを対象とする実験では、報酬行動課題のシステムに改良を加えながら、動物の課題トレーニング進める。生体電気活動ワイヤレスモニタリングシステムの実験では、慢性実験で動物(ラット)から安定記録をする手法と環境を確立を目指す。 研究成果を取りまとめ学会発表および、論文投稿準備を進める。
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