研究課題/領域番号 |
23300086
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
内野 英治 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30168710)
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研究分担者 |
末竹 規哲 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (80334051)
廣 高史 日本大学, 医学部, 准教授 (10294638)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 血管内超音波法 / 動脈硬化 / 心筋梗塞 / 組織性状判別 / 学習 |
研究概要 |
心筋梗塞は冠動脈内に堆積したプラークの破綻により引き起こされる.プラークの破綻を予測する上で,プラークの組織性状を知ることは非常に重要である.本研究の目的は,冠動脈内に挿入したカテーテルから得られる超音波信号を基に,ソフトコンピューティング(人間の情報処理に似た柔軟な知的情報処理)により,プラークの組織性状と構造を手術室のベッドサイドで瞬時に2Dと3Dで表示するシステムを実用化することである.これにより,動脈硬化の早期発見および早期治療に貢献することができる.平成24年度では以下のことを行った. (1)組織性状判別アルゴリズムの精緻化: 申請者らが提案していた組織性状判別アルゴリズム(MkNN法,スパース・コーディング,カオス・フラクタル解析など)を精緻化すると共にヒストグラムベースのアルゴリズムを新たに開発した.これにより,各種観点からの判別結果を医師に同時に提示し,医師がプラークを多面的に診断できるようになった. (2)組織性状判別アルゴリズムの実装: プラーク領域の自動抽出,プラーク組織性状の判別,判別結果の2D・3Dカラー表示,および結果の定量評価の一連の処理をGUI(グラフィック・ユーザ・インターフェイス)上で実装した. (3)臨床データの収集: 共同研究者の廣が所属する日本大学医学部付属病院において,引き続き患者の冠動脈血管から生体内実RF信号データの収集を行った. (4)実用化に向けた総合評価: 実用化に向け組織性状判別結果の医学的精度の評価,および(2)で実装したGUI(グラフィック・ユーザ・インターフェイス)の操作性などを総合的に評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冠動脈内プラークの各種組織性状判別アルゴリズムの精緻化およびGUI(グラフィック・ユーザ・インターフェイス)の開発など,着々と実用化へ向けて進んでいる.また,国内の学会などで,本研究テーマに関する特別講演を2件依頼されるなど外部評価も高い.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度であるので,本研究の最終的なまとめと,動脈硬化診断支援システムの実用化に向けた最終的な評価を行う.臨床データの収集は共同研究者と連絡を密に取り,引き続き行う.
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