研究概要 |
8人の被験者を対象に,脳活動データ実験を実施した.これらは予備実験として位置付けられ,研究開始時に計画していた被験者実験の手順を確認し,問題点を明らかにし,改善した.まず,被験者がfMRI装置内で画面に表示される文章を読んでいる状態や,注視点を見ている状態の把握と,データ解析で判断情報として使うことを目的とし,被験者の目の状態や動きをビデオ撮影するための治具を制作した.この治具は,fMRI内に設置するために非磁性体の材料が使われている.予備実験で撮影した動画で,目の状態が取得できていることを確認した.次に,被験者実験の手順であるが,以下の点を検討した.検索実験と対照実験の実施順序について,複数のパターンを試行し,実験時間の制限を含めた制約内で最良の順序を決定した.また,検索結果を表示する際に,見やすさや内容の把握のしやすさを考慮し,これについても複数の表示パターンを試行し,最終的な表示内容およびレイアウトを決定した.さらに,残存時間の表示も組み込んだことで,被験者が必要とする情報を提示することができる.被験者実験で用いる検索システムについては,本研究の実験条件に最適化したシステムを構築した.文章データコレクションの選択,文章データの整形およびインデクスの生成,検索インタフェースの構築,検索結果の生成プログラムを作成した.この検索システムが出力する検索結果を表示するため,fMRI装置と連動して動作する刺激提示プログラムを開発した.このプログラムは,予備実験で確定した実験の実施手順を実行する.さらには,刺激提示プログラムの実行と,検索システムの実行の両者の同期についても複数のパターンを試行し,最適な手法を決定した.
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