研究課題/領域番号 |
23300091
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
白井 哲哉 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (70568211)
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研究分担者 |
中野 泰 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20323222)
綿抜 豊昭 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30211676)
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キーワード | 公文書 / アーカイブズ / 旧町村役場文書群 / リテラシー / 地方史 |
研究概要 |
平成23年度は、当初に参加メンバーによる砂川村役場文書研究会を組織し、次の3点について集中的に調査研究を展開した。(a)研究対象である旧砂川村役場文書群の全容を把握するための、同文書群の整理作業と総目録データ及び主要公文書簿冊についての件名データの作成。(b)旧砂川村役場文書を作成・収受した地域を理解するための、旧砂川村地域における聞き取り調査と同地域及び立川市役所における関係資料の調査。(c)旧役場文書の一般的状況を理解し旧砂川村役場文書群の構造分析及び比較検討を行うための、全国各地における旧役場文書群の目録情報の収集及び現地調査。(a)については毎月1回の資料調査会を実施した結果、前年度の準備段階からの蓄積と併せて、全1445点の総目録データと約15000件の件名データを作成した。研究メンバー及び関係機関における情報共有と今後の調査研究の進捗を図るため、これらのデータの一部を印刷刊行した。(b)については、6月に旧砂川地域の関係者と研究メンバーによる最初の懇談会を実施、8月に地域の旧家において関係資料の調査、11月に元立川市長青木久氏(元砂川村職員)のインタビュー調査、3月に立川市役所文書庫で旧砂川村(砂川町)関係永年保存文書の調査を実施した。(c)については、全国的に旧役場文書群の所在情報及び目録情報を収集し、それに基づき福島県、茨城県、東京都、愛知県、大阪府、愛媛県等で旧役場文書群及び関係公文書群の現地調査を実施した。また、公文書リテラシー研究のため国立国会図書館、東京都立中央図書館、香川大学附属図書館で文献調査を実施した。以上の成果に基づき、2月に集中研究会を実施して各メンバーの今後の具体的研究テーマを検討した。また調査研究成果の地域還元として、立川市歴史民俗資料館の展示会準備に協力したほか、立川市教育委員会と連携して12月に旧砂川村役場文書に関する講演会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は公文書簿冊の件名データ作成と内容の分析調査を併行させ、最終年度に報告書と目録を刊行する計画だったが、主要データが予定より早く揃ったので今後の分析調査と研究の進捗を図るため今年度に刊行した。これにより公文書アーカイブズ情報分析の研究領域が今後一層進捗する。また、比較対象となる各地の公文書群の現地調査を実施した結果、総目録データの完成と合わせて公文書アーカイブズ構造分析の研究領域が著しく進捗しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、研究の進捗を図るため件名データの残りの分を印刷刊行する。また、毎月1回の資料調査会を継続するとともに、年度後半からは参加メンバーの研究発表会を併せて毎回開催する。また、旧砂川村役場関係者等へのインタビュー調査を必要に応じて実施するとともに、12月頃に研究の進捗状況の公開機会(シンポジウム等)を設定する。旧砂川地域等の現地調査、公文書リテラシーに関する文献調査等も継続的に実施する。
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