研究課題/領域番号 |
23300092
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 英敬 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70212892)
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研究分担者 |
西 兼志 成蹊大学, 文学部, 准教授 (20599550)
吉見 俊哉 東京大学, 情報学環, 教授 (40201040)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 人文系情報学 / 記号論 / メディア論 / テレビ研究 / デジタル人文学 / 図書館情報学 / マスコミ研究 / コンテンツ分析 |
研究概要 |
TVメディアのコンテンツの分析にIT技術を活用し、メディア記号論に情報記号論の新しい地平を開き、ハイパーメディア・アーカイブあり方を提示する本研究の第二年目は、「情報記号論の知識の構造化、テレビ・アーカイブ学の体系化」の研究としての成果を上げた。 1)理論的成果:「情報記号論」の基礎理論の研究は、フランス・ポンピドゥーセンターIRIを共同研究パートナーに「用語集」としてIRIのサイト上で理論成果を共有し2012年12月には世界の先端的研究者が集うDigital Studiesの理論シンポジウムの開催に参画して理論的知見の発信を行った。 2)システム研究開発:「テレビ・アーカイブ学のためのハイパー・アーカイブ・プラットフォームHyperPLATEAU」の試作を開始。、IRIのソフトMetadataPlayerおよび知識ネットワーク可視化ツールRenkanとを連携させる「発掘の道具」の共同制作実験を実施した。 3)アーカイブ研究:「TVドキュメンタリーの考古学調査」をテーマに、NHK放送文化研究所・一般社団法人「放送人の会」と連携して「放送人の会」の証言ビデオ百数十件を対象に、証言ビデオの書き起こしを進め、上記2)の成果と組み合わせてTV番組映像とオーラルヒストリー映像とのリンク付けによるアーカイブ実証研究の体制が整った。 3) 研究交流:上記1)のDigital Studiesをテーマとした大規模な国際会議「ENMI 2012 Digital Studies」で12月に研究代表者石田が基調講演を行い、Digital Studiesの世界的研究展開のイニシアティブを発揮した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的研究はデジタル人文学のなかでも「デジタル・スタディーズ」という先端的動向を主導するイニシアティブを発揮している。 テレビ・コンテンツをITを活用して研究する方法を次世代アーカイブの構築に結びつける展望が「HyperPlateau」プラットフォームの制作によって確実になった。 「放送人の会」のテレビ制作者の証言ビデオの書き起こし作業が進行して、文字データを映像データと結びつけてメタデータ付与を行い、番組検索に活用する見通しが立った。
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今後の研究の推進方策 |
完成年である2013年度の理論研究はテレビ・コンテンツ分析をアーカイブ学として体系化するための「情報記号論」の基礎理論の体系化である。記号論関連研究文献・知見を研究代表者らが随時引き出しデータベース化することによって実行される。 システム開発研究は、を構成するモジュールの開発、知識ベースの拡充作業を行い実験プラットフォーム「HyperPLATEAU」の制作を完成させる。 アーカイブ研究は、「TV番組の考古学調査」をテーマに、ドキュメンタリー番組やTVドラマのメディア成層の分類を作成し分析調査を取りまとめ、放送人のオーラルヒストリーを「放送人の会」の証言ビデオを素材としてTV番組アーカイブとの連動による次世代アーカイブの提案を行う。 研究連携先のNHK放送文化研究所、放送人の会との研究協働会を組織してシンポジウムを開催。メディアの情報記号論研究の成果を国際学会において公表する。
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