研究課題/領域番号 |
23300093
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
佐藤 大和 東京外国語大学, 特命事項担当室, 教授 (50401550)
|
研究分担者 |
峰岸 真琴 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20183965)
益子 幸江 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (00212209)
春日 淳 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (80364925)
岡野 賢二 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (60376829)
降幡 正志 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (40323729)
|
キーワード | 言語情報学 / 音声学 / 超分節素 / 声調 / アクセント / 言語類型論 |
研究概要 |
本研究におけるツールとしての音声言語分析プラットフォームに関しては、言語タグとともに超分節タグを付与して検索・統計処理など言語分析を行うソフトウェアを作成した。またピッチ周波数や持続時間を変形して、時間領域および周波数領域上で超分節特性変形の音声を再合成できるツール作成のため、分析合成の基本機能と特性を確認した。さらに、超分節素の特性における喉頭特徴の役割と分析手法に関して、音声生成研究者との討論を行うなど、調査を進めた。 各対象言語の個別研究では、日本語に関して、動詞のアクセントを決める要因分析のため、2モーラ・3モーラ基礎動詞とアクセント・文法素性のデータベースを作成した。また、母音連続と超分節素の関連を明らかにするための語彙リストの作成や、語アクセントの音調モデル構築のための検討などを進めた。 タイ語に関しては、先行研究の調査に基づき、基礎語彙(Thai National Corpusなど)に含まれる語を中心とした2音節および3音節の分析語彙の検討と抽出を進めた。 ビルマ語に関しては、複音節における軽声音節の音響特徴の実態を明らかにするため、ミャンマーおよび国内のnative speakerから音声収録を行った。これら音声のピッチ周波数の分析実験を行い、軽声と超分節特性との関連の検討を進めている。 ベトナム語に関しては、畳語における超分節特性に着目し、ハノイ方言話者の音声を収録して、種々のキャリアセンテンス内における2音節畳語の音響特性の分析を開始した。 インドネシア語に関しては、アクセントの出現に関わる検討の結果、schwa音素が他の5母音音素と異なる音素配列上の効果を示し、その分布とアクセント出現との関連についての研究を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度は、大幅な研究の進展はないが、各言語における超分節特性の研究内容が明らかとなり、そのためのデータ収集も徐々に進んでいる。また、ピッチ周波数の加工音声による知覚実験のためのツールも、その基本機能を確認するなど、おおむね当初計画どおり進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、各言語における音響分析を推進していくことが重要である。また、その結果に基づき音声言語学的観点からの理論的考察が肝要になる。必要に応じて超分節特性の変形による知覚実験も利用していく。
|