本研究では、ショウジョウバエ胚・幼虫をモデルとして用い、運動回路の発達過程における感覚受容、特に運動の結果として生じる体性感覚の役割を調べることを目的とした。ショウジョウバエの感覚神経細胞は三種類に分けられるが、その中でも運動感覚受容への関与が示唆されているchordotonal neurons(chos)に着目した。このニューロンの神経伝達を時期特異的に阻害し、成長後の幼虫のぜん動運動パターンへの影響を調べた結果、胚発生の特定の時期における伝達が重要であることを示した。以上により、臨界期特異的な運動体性感覚受容が運動回路の発達において果たす役割を明らかにした。
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