脊髄発生においては、背腹軸に沿って転写因子の発現によって複数のドメインが生じる。さらに、各ドメインから複数のサブタイプの神経細胞が誕生することが示唆されているが、その詳細はよくわかっていない。本研究では、p0ドメインから誕生する神経細胞の生成機序を、細胞系譜解析により解析した。その結果、p0ドメインからは、3種類のグルタミン酸作動性の興奮性細胞と2種類の抑制性細胞(グリシン作動性とGABA作動性の神経細胞)が誕生することを明らかにした。また、この多様性形成に、前駆体レベルでの多様性形成と、発生時期依存的に異なった神経細胞を産生する2つのメカニズムが関与することを明らかにした。
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