研究課題/領域番号 |
23300124
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小坂 俊夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00126054)
|
キーワード | 嗅球 / 軸索 / 樹状突起 / 局所回路ニューロン / 電子顕微鏡 / 3次元再構築 / スパイン / レーザー顕微鏡 |
研究概要 |
本年度は以下の3点について主に解析を進めた。まず、軸索初節部AISの分子マーカー及び各傍糸球体細胞periglomerular cells(PG)グループの化学的マーカーを用いたレーザー顕微鏡による検討においては、数種類の化学的に同定できる介在ニューロン群で明らかに軸索が同定できたのはいわゆる大型のshort-axon cellsと従来から呼ばれてきたニューロン群とtyrosine hydroxylase陽性のドーパミンニューロンのうち大型のグループで我々が糸球体間の結合に関係していると指摘したニューロン群であった。一方、糸球体近傍の小型のいわゆるPGおよび、顆粒細胞層のgranule cellsではその一部でパッチ状の軸索初節部AISの分子マーカー部位が見られた。このようなパッチを示すニューロン群はかなり限られているようでその詳細の解析の必要性が明らかとなった。第2に、化学的性質の解析としてtranscription factors,Sp8とTbx21の解析を進め、ニューロン群の多様性を更に明確にした。第3にbiotinylated dextran amine(BDA)標識をin vivoで行い電子顕微鏡標本作成が可能な固定をした後、蛍光標識標本として、共焦点レーザー顕微鏡観察を進めた。外房飾細胞ET・表在性房飾細胞SMTと僧帽細胞Mを同定し、その糸球体内樹状突起の構造の詳細(スパインの有無等)を画像解析システムNeurolucidaを用いて3次元解析した。その後で、蛍光標識をABC法で処理し、電子顕微鏡観察できるDAB標識に変換した。一部の標本は既に超薄連続切片を作成し電子顕微鏡写真を撮影するところまで進んでいる。これらの写真からモンタージュを作成し、コンピューターを用いた3次元再構築を行うことが可能となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
もっとも時間がかかる電子顕微鏡での解析に必要な標本がいくつか作成でき、それをコンピューターで解析することで確実に計画が遂行できる。
|
今後の研究の推進方策 |
介在ニューロン群の大部分が、ある意味予想どおり軸索の性質を占める突起を有していないことが明らかになりつつある。従って、ニューロン数と軸索数を正確に比較する必要性が高くなってきたのでその方向での定量解析を重点的に進める。
|