| 研究課題/領域番号 |
23300124
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
小坂 俊夫 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00126054)
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| 研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | 嗅球 / 糸球体 / 局所回路 ニューロン / 免疫細胞化学 / トレーサー / BDA / レーザー顕微鏡 / 電子顕微鏡 |
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| 研究概要 |
本年度は主にsecretagogin含有ニューロン（SCGNニューロン）について更に解析を進めた。その解析の過程で糸球体近傍に存在する新たなニューロンタイプとしてその突起が一つの糸球体から隣の別の糸球体へと延びているニューロンを発見し、transglomerular cellと命名した。糸球体近傍のニューロン群をさらに詳細に形態解析する目的で、ごく少量のbiotinylated dextran amine (BDA)を糸球体近傍に電気泳動的に投与し、標識されたニューロンを解析する実験を進めた。tufted cells等の既知の糸球体近傍ニューロンに加えて、transglomerular cellと考えられるニューロンもいくつか標識できた。興味深いことにtransglomerular cellと考えられるニューロンで、あるものは確かにsecretagogin陽性であるが、同様の形態的特徴を示していてもsecretagogin陰性のニューロンも存在していた。このようにtransglomerular cell の化学的性質の面での多様性を示唆する所見が得られたが、これはtransglomerular cellのより詳細を解析する必要性を示している。このような所見を踏まえて、SCGNニューロン及びBDA標識されたsecretagogin陰性transglomerular cellの電子顕微鏡による解析を開始した。一方external tufted cells(ET cells)の光顕・レーザー顕微鏡・電顕での解析を進めたが、主に使用した固定（4％パラフォルムアルデヒド＋1％グルタールアルデヒド）ではやや組織の保存が満足できない面があり、より強力な固定（2％パラフォルムアルデヒド＋2.5％グルタールアルデヒド）を行ったBDA標識標本の作成を進めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで記載されていなかった新しいタイプと考えられる糸球体近傍のニューロンtransglomerular cellの存在を明確にでき、更にその多様性を示唆する所見が得られ、嗅球ニューロン構成、特に、糸球体間の結合関係を考える新たな視点も得られつつある。
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| 今後の研究の推進方策 |
新たなタイプのニューロンの形態学的特徴を光学顕微鏡・レーザー顕微鏡・電子顕微鏡を組み合わせて、より詳細に検討する。また、組織保存が良好なBDA標識サンプルでのtufted cell及びmitral cellの電顕レベルでの比較検討を進める。
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