研究概要 |
目的の(1)である遺伝性プリオン病に対する試験管内異常型プリオンタンパク(PrP)増幅法(Real-time QUIC法)を中心とした髄液検査はすでに数十症例について検証を行い、早期診断への応用が期待できるなど、臨床的にも非常に有用性が高いことを確認し,報告した(PLoS One 8(1): e54915, 2013)。特にこれまでの14-3-3タンパク等の髄液マーカーで陰性になることが多い、PrPのP102L変異によるGerstmann-Straussler syndrome(GSS)やまた症例数は少ないもののD178N変異によるFatal Familial Insomnia(FFI)でもReal-time QUIC法で高い陽性率を示したことは特筆すべき結果であると考えている。 目的(2)で作製する予定の遺伝性プリオン病モデルマウス(GPIアンカーを欠損させたP102L変異を導入したヒトPrP配列トランスジェニックマウス)については現在、山形大学医学部遺伝子実験施設に依頼中である。目的(3)の遺伝性プリオン病の予防・治療法の探索と開発のため、ハイスループットスクリーニング法となりうる可能性のあるrecombinant PrPを用いたThermal Stability Assay(TSA)を立ち上げ、解析を開始した。
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