研究課題
TC10について、新たな実験結果を加えて、「神経細胞においては、小胞上のTC10の不活性化が、Exo70の乖離を介してRab11およびL1陽性小胞の細胞膜への融合を促進し、それにより神経突起伸展を正に制御する」というモデルを提案した。また、細胞レベルでの解析結果を受けて、軸索ガイダンスや損傷軸索の再生に関するTC10の働きを個体レベルで解析するために、ノックアウトマウスの作出を行っている。細胞膜でのRab35の活性を検討するために、Raichu-Rab35のC末端をK-RasのC末端に置換したRaichu-A018kxを作製した。Raichu-A018kxを発現させたPC12細胞をNGFで24時間処理して突起伸展を誘導した後に、タイムラプス画像を撮影した。成長円錐様の突起先端部の細胞膜でのRab35活性は、突起のシャフトや細胞体の細胞膜でのRab35活性よりも有意に高いことがわかった。ただし、突起先端部でのRab35活性変化は先端部の伸縮とは必ずしも相関しておらず、むしろ「よく広がった成長円錐様の形態を保持している部分でRab35活性が高い」という傾向があった。これまで得られた他のデータも含めて、Rab35が成長円錐で何らかの機能を発揮して突起伸展に働いていると想定される。Rab11のFRETセンサーの開発を行い、蛍光スペクトル解析の結果などから生細胞イメージングに使用できるレベルのセンサー候補を得た。連携研究者の作村との共同研究により、突起先端部でのRhoファミリーG蛋白質の活性変化と形態変化の間の相関をベイズ推定等の手法で求めて、その相関を再現できる力学モデルを構築した
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Genes Cells
巻: 18 ページ: 1020-1031
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PLoS One
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