研究課題/領域番号 |
23300136
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
池中 一裕 生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (00144527)
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研究分担者 |
並木 繁行 東京大学, 医学系研究科, 助教 (90452193)
古家 喜四夫 名古屋大学, 工学研究科, 研究員 (40132740)
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キーワード | ATP / グルタミン酸 / イメージング / アストロサイト |
研究概要 |
1)海馬などの脳スライスにおけるATPとグルタミン酸同時イメージング装置の開発 これまで生理学研究所において構築されたATPイメージング装置を用いて培養アストロサイトによる実験を行ってきたが、これをさらに改良し、海馬などの脳スライスにおけるATPとグルタミン酸同時イメージング装置の開発を検討した。まずグルタミン酸イメージングについては、東京大学の並木らの方法を用いて培養アストロサイトでのグルタミン酸イメージングを行い、観察が可能であることを確認した。次にこれまで培養アストロサイトでATPイメージングを行ってきたが、海馬などのスライスでも可能であるかどうか検討した。その結果、海馬スライスのみならず、大脳皮質でもATP放出を観察することができた。 2)グリオトランスミッター(ATP、グルタミン酸)放出機構の解明 これまで培養アストロサイトにグルタミン酸を添加することによりATP放出パターンの放出時間や放出強度に多様性があるという結果を得ており、このことはアストロサイトのATP放出機構に多様性のあることを示唆している。そこで薬理学実験により放出機構の解明を検討した。その結果、複数の薬剤で放出時間の長いATP放出が減少したが、どの薬剤を用いても短い放出時間のATP放出は押さえられなかった。このことは放出機構の多様性を示しており、現在さらに短い放出時間のATP放出機構の解明を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
放出機構の薬理学的解析を行ったが、一つの薬剤で強い効果の得られるものがなかったため、解析が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後はスライスでのグルタミン酸イメージングを検討し、同時イメージングの開発をさらに進める予定である。また上記に述べたようにグルタミン酸イメージングについてもほぼ可能となったので、今後はグルタミン酸放出についても放出機構を解明する予定である。
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