研究課題/領域番号 |
23300147
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
北島 勲 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (50214797)
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研究分担者 |
森 寿 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (00239617)
別府 秀幸 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (20550479)
福永 浩司 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90136721)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 精神遅滞 / エピジェネテイクス / クロマチンリモデリング / ATR-X症候群 / コンデショナルノックアウトマウス / ES細胞 / 精神運動発達障害 |
研究概要 |
1)ATR-X遺伝子改変マウスの病態解析:ATR-X症候群モデルマウスとして Atrx exon 2 欠損マウス (AtrxΔE2マウス)において認知機能の低下、海馬 LTP の減弱、前頭皮質内側部の樹状突起スパイン形態異常を呈することを明らかにした。 (J. Neurosci. 2011; Hippocampus. 2011) 。しかしながら、なぜ核内で機能するクロマチンリモデリング因子 ATRX の減少が、スパイン形態異常や精神遅滞を引き起こすのか不明である。 そこで、今年度ATRX 変異による精神遅滞の原因を追究するため、AtrxΔE2マウスにおいて DNA マイクロアレイを行った。スクリーニングの結果、インプリント遺伝子のひとつが脳特異的に上昇していることを見出した。 2) ATR-Xエクソン7コンデイショナルノックアウトマウス作成:ATR-X遺伝子エクソン7は、PHD-like Zink fingerドメインをコードしヒストンH3と結合する。この部位の遺伝子改変では致死的となるため、Cre-loxPシステムを用いたATRX遺伝子コンディショナルノックアウトマウスを作製するためにC57BL/6マウス由来ES細胞においてターゲティングベクターの遺伝子導入を行い、相同組換えを行ったES細胞クローンを選別した。今回、相同組換えES細胞クローンゲノム中からPGK-neoカセット除去するFlp-FRTシステムを用いた。FRT配列をPGK-neo両端に挿入することにより、Flp組換え酵素一過性発現によりPGK-neoカセットを除去する。現在、200個のES細胞クローンをサザンブロットにてスクリーニングを行い、2個の相同組換え細胞クローンを確認した。今後、キメラマウスの作製を行って行く計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ATR-Xエクソン2遺伝子改変マウスの脳DNAマイクロアレイ解析からエピジェネテイクスに関連する脳特異的分子候補分子か見出されたことは計画以上の進展があるが、ATR-Xエクソン7のコンデショナルノックアウトマウスはまだキメラマウスが得られていないため研究がやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
ATR-Xエクソン2遺伝子改変マウスから得られた脳特異的インプリント分子の細胞内機能の分子機構を解析する。本遺伝子とATR-Xとの関連について検討する。ATR-Xエクソン7コンデイショナルノックアウトマウスは、現在atrx の相同組換えES細胞クローンを2個得ることができたのでFLP組換え酵素を発現させ、Neo欠失ES細胞クローンを卵にインジェクションし、受精卵を偽妊娠状態ICR♀マウスに子宮内移植する.。キメラマウス成熟後、C57BL/6♀マウスと交配しATRX flox/+マウスを得る。Nestin-Creとtie2-Creトランスジェニックマウスと交配し、得られたノックアウトマウスを解析する。
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