本年度は、24年度の研究を継続し、以下のことを達成した。 1)インペラロータの射出成型法を確立、金型を作成した。実際に射出成型したインペラの着磁を行い、回転制御性を確認した。豚を用いた急性実験にも用いた。 2)コンパクト、小型コンソールを作成し、性能試験、急性動物実験に用い、その性能を確認した。 3)体内植え込みを目的に、薄型モータの開発を進め、体内植え込み用小児補助人工心臓を試作開発した。駆動部であるモータとポンプハウジングを含め、補助人工心臓は、直径60mm、厚み30mm、置換体積は、84ccと小型化されており、体重20Kgの豚の胸腔内への植え込みが可能であることを確認した。従って、本TinyPumpは、体外又は胸腔内に植え込んで小児循環補助が可能であることが示唆された。 4)米国スタンフォード大学との共同研究において、胎児心臓循環の補助を目的に、現在までにおよそ50頭の妊娠羊において、TinyPumpが使用され、30分の胎児心臓循環において、ローラーポンプと比較して、優れた成果が得られることが示され、人への応用を前提に実験が展開されている。 以上の成果を元に、今後本システムの実用化を計画している。
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