研究課題/領域番号 |
23300173
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
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研究分担者 |
後藤 浩一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (30279377)
市原 英明 崇城大学, 生物生命学部, 助教 (70369114)
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キーワード | 癌 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ / 脂質 / 細胞・組織 |
研究概要 |
1.リン脂質(DMPC)およびPEG系界面活性剤(C_<12>(EO)_n,n=23)からなるハイブリッドリポソーム(HL23)の、非小細胞肺がん細胞(NSCLC)に対する融合蓄積ならびに抗腫瘍効果に関する基礎研究から、以下のような興味深い知見が得られた。(a)蛍光プローブを内包するRL-23は、正常肺細胞に対しては蓄積せず、NSCLCに対して特異的に融合蓄積することが確認された。(b)HL-23は使用した4種のNSCLCに対して細胞増殖抑制効果を示すことを明らかにした。(c)TUNEL法およびAnnexin-Vbinding法による観察より、HL-23を添加したNSCLCにおいてアポトーシス誘導が確認された。以上の結果から、in vitroにおいて、HL23はNSCLCに対して特異的に融合蓄積し、アポトーシス誘導による抗腫瘍効果を示すことが今回初めて明らかになった。(薬学雑誌,130,1581(2010)) 2.急性リンノ白血病(acute lympho-blastic leukemia:ALL)モデルマウスに対するHL-25の治療効果を検討した。超音波処理によって調製したHL-25は、膜直径約50nmで3週以上均一に保たれた。皮下にヒトALL(MOLT-4)細胞を移植したALLモデルマウスに対して、抗がん剤を含まないHL-25のみで静脈内治療したところ、腫瘍体積の著しい減少が明らかになった。HL-25で治療したALLモデルマウスの腫瘍をTUNEL方により観察したところ、アポプトーシス誘導が確認された。MOMM細胞を腹腔内移植したALLモデルマウスに対するHL-25の治療実験において、400%以上の長期にわたる顕著な生存率が得られた。(International Journal of Pharmaceutics,406,173(2011))
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイブリッドリポソーム(HL)によるがん治療効果に関し、(1)in vitroにおいて、がん細胞膜をターゲットとしたアポトーシス誘導の制がん機構が明らかになってきている。(2)in vivoにおいて、種々の担がんモデルマウスに対する治療効果が得られてきている。さらに、医学部との活発な研究討議により、エイズ関連リンパ腫抑制に関する研究が進行しており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
HLの流動性(揺らぎ)およびがん細胞膜の流動性(揺らぎ)と、肌の抗腫瘍効果に関する多くの事例を増やし、一般則として確立する予定である。詳細なメカニズムについては、疾患細胞およびHLの流動性を、様々な分析法により明らかにする事が可能である。 このように、がんをはじめとする難治性疾患の細胞膜物性をターゲットとする肌の治療効果を医学部との共同研究により進める。
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