陽子線準単色X線を利用した新しい方式のマイクロX線蛍光分析装置を開発した.2.5MeVの陽子ビームを照射した銅薄膜裏面に発生する8keVの準単色X線をポリキャピラリーレンズにより集束してマイクロX線ビームを生成した.このX線ビームを用いてX線蛍光計測を行い,銅基板上に蒸着したコバルトに対し2.3ngの検出下限値を得た.250ミクロン程度の空間解像度のもと基板上に形成されたコバルト薄膜のマイクロパターンの再構築に成功した.45度偏向電磁石を用いた生体試料用のX線照射スタンドを構築し,濃度500ppmのコバルト水溶液で栽培されている浮き草の葉に含まれるコバルト濃度のその場測定に成功した.
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