研究課題/領域番号 |
23300188
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
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研究分担者 |
来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70205219)
仲 成幸 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10359771)
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キーワード | 低侵襲治療システム / MR画像誘導手術 / ナビゲーション外科 |
研究概要 |
本年度は、第一に、通常の臨床診断用のMR装置において手術ナビゲーションを実現できるよう、研究協力者であるGEヘルスケアのHaque博士の協力を得て、外部の電磁式位置センサ(EndoScout)の情報によってMRシステムの撮像面(中心位置と傾斜角度)をインタラクティブに制御することのできるソフトウェア環境を外部PCに整備した。また、MR装置で撮像した画像を直ちに外部コンピュータに転送し、新たに開発を進めているナビゲーションソフトウェア上に表示できる環境を整備した。PCは磁石室内に設置できないので、こうしたナビゲーション画像をMR画像にノイズを与えることなく磁石室内でモニターできるよう、シールドされたMR対応液晶モニターや光ファイバーによる画像伝送システムを導入し、手術ナビゲーションを実現するためのインフラを整備し、ノイズ対策などの周辺設備の調整を行った。またEndoScoutの精度を向上させるため、研究用のパルスプログラムを導入し、撮像条件の最適化を図った。 本研究課題であるシームレスなナビゲーションを実現するために、光学式の位置センサ(Polaris)を導入し、MR磁石の内と外(磁石近傍)のMR環境下での基本性能の評価、ノイズ対策、位置情報の磁石室外への伝送方法について検討したPolarisのための反射球と小型のEndoScoutセンサを固定した独自ハイブリッド型のハンドピースを複数個製作し、それらの誤差評価、最適のデザイン、設置方法と設置位置、検出カメラの設置固定法についての検討を行っている。ソフト面では2つのセンサからの位置情報のキャリブレーションと統合を行うべく開発を進めているとともに、ハード面ではオープンMRシステムで使用していた非磁性で設定したターゲットを追尾するロボットをこのプロジェクトでも使用できるよう整備と改造を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光学式位置センサーであるPolarisの導入がほぼ予定通り進行するとともに、最も困難が予測された通常の臨床診断用のMR装置にナビゲーション対応できる機能を付加することが実現した。 また以前使用していた非磁性の超音波モータを有するロボットを本研究でも、利用する方向で準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目となる24年度は、電磁式位置センサ、光学式位置センサを統合したシステムを組み上げるとともに、それを制御するソフトウェアの開発を推進する。 最終の25年度にはファントム実験や動物実験を通して精度検証と有用性の向上を図り、臨床応用できるレベルまで完成度を高めたいと考えている。
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