研究課題
【研究の目的】従来の薬物療法に代わる画期的な心不全治療法として「迷走神経刺激(VNS)による心筋エネルギー効率の最適化療法(VNSエコハート療法)」を確立することであり、1.VNSエコハート療法が慢性心不全ラットの生命予後に与える影響、2.VNSエコハート療法が不全心の機械的・電気的・微小循環的リモデリングに与える影響、3.VNSエコハート療法の自動化プログラム開発を検討した。今年度は、1)VNSエコハート療法の不全心の電気的・代謝的リモデリングに与える影響の評価:1)-1電気的リモデリングに与える影響の評価:膜電位感受性色素を用いた光学的マッピング法を用いて、VNSエコハート療法が不全心の心室興奮伝播に与える影響を評価した。6週間の治療後に心臓を摘出し、ランゲンドルフ潅流標本とし、膜電位感受性色素di-4-aneppsで冠動脈を潅流し、高感度・高速CCDカメラで活動電位の伝播を撮影記録し、活動電位持続時間や伝播速度を解析した。1)-2.代謝的リモデリングに与える影響の評価:心筋細胞におけるエネルギー産生系である脂肪酸代謝と糖代謝に関与する酵素や基質トランスポーターの発現に与えるVNSエコハート療法の影響を評価した。2)アセチルコリン(ACh)の電気的・代謝的リモデリングに与える影響の評価:ラット新生仔初代培養心筋細胞を用いて、虚血負荷、機械的負荷における心筋細胞のストレス応答に関する情報伝達系(Akt, HIF-1alpha;, bad, bcl-2)やギャップ結合(Cx43)・イオンチャネルがAChによってどのような修飾を受けるかを分子生物学・組織化学的に検討した。また、AChが活動電位持続時間や伝播速度のばらつきに与える影響をより単純な系である自由配列心筋索を用いて評価し、不全心筋の電気的安定化におけるAChの役割をあきらかにした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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