研究課題
作製したモータリンモノクローナル抗体について、モータリンタンパク質の欠損変異体と合成ペプチドを用いて、各クローンのエピトープを決定した。ELISA解析の結果、モータリンのAA279-291に対応するDQALLRHIVKEFK配列がB80-M2とB80-M11クローンのエピトープであり、B80-M29クローンはAA397-409に対応するQTVQDLFGRAPSKをエピトープとすると結論した。抗体クローンにつき、6種のヒトがん細胞を用いて、細胞への内在化能を調べ、B80-M29が最も良い内在化能を示すことがわかった。がん細胞、間葉幹細胞、iPS細胞を用い、抗体に量子ドットを結合させ、ナノ運搬体としての可能性を調べた。in vitro、in vivoにおいても、これらの細胞では、長時間にわたり量子ドットによるラベルが見られた。内在化された抗体の細胞における保持時間は、3-5時間であった。抗体の内在化のメカニズムについて、エンドサイトーシスの4種の阻害剤、クロルプロマジンとサイトカラシンB、Mβ-CD、ナイスタチン、EIPAを用いて調べた。抗体の内在化はナイスタチンにより最も強く阻害されたことから、脂質ラフトを介するエンドサイトーシスが関与することが示唆された。ラフトが関与する抗モータリン抗体の内在化につき、(1)ダイナミンとカベオリンに依存、(2)ダイナミン依存性でカベオリン非依存性、(3)ダイナミン非依存性かつCDC42依存性、の三つのラフト経路の特異的な阻害剤を用いて調べた。これにより、内在化はダイナミンの阻害剤、ダイノールで強く阻害されることがわかった。一方、カベオリン-1 阻害剤であるダイゼインとCDC42阻害剤 ML141は弱い効果を示した。これらにより、抗モータリン抗体の細胞内在化には、ダイナミンとカベオリンに依存性のエンドサイトーシスの関与が大きいと結論した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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