研究課題/領域番号 |
23300197
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山口 晴保 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (00158114)
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研究分担者 |
勝山 しおり 群馬大学, 保健学研究科, 助教 (50334123)
山上 徹也 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (60505816)
亀ヶ谷 忠彦 群馬大学, 保健学研究科, 助教 (90455949)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 認知症 / アルツハイマー病 / 社会脳 / 脳活性化 / リハビリテーション |
研究概要 |
介護老人保健施設(老健)において認知症短期集中リハビリテーション(リハ)の有効性を示す研究を行った。対象は122名の入所者。脳活性化リハ5原則(快・会話・役割・褒める・成功体験)に基づく認知症短期集中リハを個別で週3回、3か月間実施し、前後評価を行った。その結果、HDS-Rが14.7±6.5→16.5±7.6(p<0.001)と、MMSEが17.5±5.6→18.9±5.8(p<0.001)と有意に向上した。行動・心理症状はDBD 10.8±10.3→9.4±9.3へと、意欲はVitality Index 6.9±1.8→7.4±1.9と、抑うつはGDS5 2.6±1.4→2.0±1.4と、いずれの指標も有意に(p<0.001)改善した。HDS-R低値(14点以下)群とHDS-R高値群に分けても、ほぼ同様な結果だった。老健での認知症短期集中リハは、認知機能や意欲の向上、行動・心理症状と抑うつの低減に有効なことを多数例で示した。 また、別の老健の利用者23名を対象として、長谷川式簡易知能スケールの得点による層別無作為抽出を用い、介入群と対照群に割り付け、介入群には脳活性化リハビリテーションの代表的メニューである作業回想法を週1回、1時間、3ヵ月間実施した。その結果、介入群では認知症の全般的重症度 (Clinical Dementia Rating 合計値)が有意に改善し、また対照群では主観的QOL (QOL-AD)が低下傾向を示したが、介入群ではそれが維持された. 社会脳機能の評価指標として、一コマ漫画を見て、登場人物の行動意図を理解する「落とし穴課題(Pit fall task)」や、比喩皮肉テストによる評価、表情認知による評価を確立して報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介護老人保健施設を中心に、介入研究を進めている。 また、成果を論文として発表している。 社会脳機能の評価尺度も新たに開発して論文化した。
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今後の研究の推進方策 |
研究経過に沿って、介護老人保健施設での介入研究を続けており、この方向を進める方針である。 評価指標の開発も終了した。
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