研究課題
介入研究では、回想法中の参加態度と効果の関係を検討した。介護老人保健施設の認知症の疑いから中等度認知症の利用者12名を対象に週1回、1回60分の作業回想法を2ヵ月間 (全8回)実施した。効果指標として介入前後で、CDR、HDS-R、NMスケール、NPI、やる気スコアを実施した。また参加態度の評価は、介入に参加しない専属のスタッフが介入の様子の観察と記録したビデオ映像に基づき、回想法観察評価尺度 (RORS)を評価し、発言回数をカウントした。その結果、介入前後でCDRの各項目の合計値とやる気スコアが有意な改善を示した。またRORSの介入前後の変化値 (後半3回分の平均値-前半3回分の平均値)とHDS-Rの変化値 (介入後-介入前)が有意な相関を認めた。以上から、作業回想法により、認知症の全般的な重症度が軽減し、意欲が高まった。また回想法の参加態度が回を重ねるごとに良くなった対象者ほど、認知機能が維持される傾向にあった。高崎市では、認知症予防の事業としてひらめきウオーキング教室を継続し、今年度は11教室で183名が参加し、認知機能、運動機能、精神機能の改善が認められた。病識評価の簡便な質問紙を完成し、専門誌に発表した。これまでの認知症リハビリテーションの実績が認められ、医療報酬改定で新たに「認知症患者リハビリテーション料」を算定できることとなった、
2: おおむね順調に進展している
評価指標を開発し、認知症リハビリテーションの原則も確立した。本年度は実践を行う。
診療報酬改定で保健点数化された認知症患者リハビリテーションが有効であることを世に示し、この診療報酬の定着をめざす。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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